フォン・ギールケ病(糖原病I型)は、グルコース-6-ホスファターゼ(G6Pase)の先天的欠損により、肝臓や腎臓にグリコーゲンが蓄積する常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)の代謝疾患である。空腹時の重篤な低血糖と著明な肝腫大を特徴とする。CBTや医師国家試験では、特徴的な検査所見(乳酸・尿酸・トリグリセリドの上昇)や、グルカゴン負荷試験の結果が毎年問われる超頻出疾患である。
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空腹時低血糖症状(冷汗、顔面蒼白、頻脈、けいれん、意識障害。特に早朝空腹時に起こりやすい)
著明な肝腫大(腹部膨満)
人形様顔貌(doll-like face:頬が豊かで丸い顔)
成長障害、低身長
出血傾向(鼻出血など。血小板機能異常による)
※脾腫は伴わないことが多い(他の蓄積病との鑑別点)。
初期評価
乳幼児期のけいれん(空腹時)や、著明な肝腫大、成長障害から疑う。
検査
血液検査で「著明な低血糖」、および「乳酸アシドーシス」「高尿酸血症」「高トリグリセリド血症」を確認する。ケトン体も上昇する。グルカゴン(またはアドレナリン)負荷試験を実施し、「血糖値が無反応(上昇しない)かつ、乳酸値が著増する」ことを証明する。現在、確定診断は遺伝子検査(G6PC遺伝子などの変異確認)が主流である。
鑑別
他の糖原病:ポンペ病(II型:心肥大・フロッピーインファント、酸性マルターゼ欠損)、コーリ病(III型:脱枝酵素欠損、症状はI型より軽度)、マッカードル病(V型:筋ホスホリラーゼ欠損、運動後の筋痛とミオグロビン尿)と鑑別する。
初期対応・内科的治療
最大の目標は「空腹時低血糖の予防」である。乳幼児期は頻回の授乳や、夜間の経鼻胃管による持続経管栄養を行う。幼児期以降は、消化・吸収がゆっくりで血糖維持効果が長い「コーンスターチ(非加熱)」の定期的な経口投与が第一選択となる。
食事指導
ガラクトース(乳糖)やフルクトース(果糖)はG6Pase欠損下ではグルコースに変換されず、逆に乳酸蓄積を助長するため、摂取を制限する。
合併症治療
高尿酸血症に対してアロプリノール、高脂血症に対してスタチンなどの脂質異常症治療薬を投与する。
病態
肝臓において、グリコーゲン分解および糖新生の最終段階で働く酵素「グルコース-6-ホスファターゼ(G6Pase)」が欠損している。これにより、蓄えられたグリコーゲンからグルコース(ブドウ糖)を血中に放出できず、空腹時に重篤な低血糖を来す。また、代謝されなかったグルコース-6-リン酸(G6P)は解糖系、ペントースリン酸経路、脂質合成経路へと向かうため、乳酸、尿酸、トリグリセリドの過剰産生を引き起こす。
試験での重要ポイント
「乳幼児期の空腹時低血糖(けいれん等)+肝腫大(人形様顔貌、腹部膨満)」が典型的なプレゼンテーション。血液検査における「低血糖、乳酸アシドーシス、高尿酸血症、高脂血症(高TG血症)」の4点セットは超頻出。確定診断に用いられる「グルカゴン負荷試験」または「アドレナリン負荷試験」において、「血糖値は上昇せず、乳酸値が上昇する」点も画像・表問題で極めてよく問われる。他の糖原病(II型ポンペ病など)との鑑別が必須である。
覚え方・コツ
「フォンギルケ(1型)は、G6Pase(酵素)がなくて、肝臓パンパン(肝腫大)、お腹すくと倒れる(空腹時低血糖)。血糖上がらず、乳酸・尿酸・脂質が上がる(3高)!」と覚える。
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