最終更新日: 2026年4月17日
アスクレピアで深掘りするフォン・ギールケ病(糖原病I型)は、グルコース-6-ホスファターゼ(G6Pase)の先天的欠損により、肝臓や腎臓にグリコーゲンが蓄積する常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)の代謝疾患である。空腹時の重篤な低血糖と著明な肝腫大を特徴とする。CBTや医師国家試験では、特徴的な検査所見(乳酸・尿酸・トリグリセリドの上昇)や、グルカゴン負荷試験の結果が毎年問われる超頻出疾患である。
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空腹時低血糖症状(冷汗、顔面蒼白、頻脈、けいれん、意識障害。特に早朝空腹時に起こりやすい)
著明な肝腫大(腹部膨満)
人形様顔貌(doll-like face:頬が豊かで丸い顔)
成長障害、低身長
出血傾向(鼻出血など。血小板機能異常による)
※脾腫は伴わないことが多い(他の蓄積病との鑑別点)。
初期評価
乳幼児期のけいれん(空腹時)や、著明な肝腫大、成長障害から疑う。
検査
血液検査で「著明な低血糖」、および「乳酸アシドーシス」「高尿酸血症」「高トリグリセリド血症」を確認する。ケトン体も上昇する。グルカゴン(またはアドレナリン)負荷試験を実施し、「血糖値が無反応(上昇しない)かつ、乳酸値が著増する」ことを証明する。現在、確定診断は遺伝子検査(G6PC遺伝子などの変異確認)が主流である。
鑑別
他の糖原病:ポンペ病(II型:心肥大・フロッピーインファント、酸性マルターゼ欠損)、コーリ病(III型:脱枝酵素欠損、症状はI型より軽度)、マッカードル病(V型:筋ホスホリラーゼ欠損、運動後の筋痛とミオグロビン尿)と鑑別する。
初期対応・内科的治療
最大の目標は「空腹時低血糖の予防」である。乳幼児期は頻回の授乳や、夜間の経鼻胃管による持続経管栄養を行う。幼児期以降は、消化・吸収がゆっくりで血糖維持効果が長い「コーンスターチ(非加熱)」の定期的な経口投与が第一選択となる。
食事指導
ガラクトース(乳糖)やフルクトース(果糖)はG6Pase欠損下ではグルコースに変換されず、逆に乳酸蓄積を助長するため、摂取を制限する。
合併症治療
高尿酸血症に対してアロプリノール、高脂血症に対してスタチンなどの脂質異常症治療薬を投与する。
病態
肝臓において、グリコーゲン分解および糖新生の最終段階で働く酵素「グルコース-6-ホスファターゼ(G6Pase)」が欠損している。これにより、蓄えられたグリコーゲンからグルコース(ブドウ糖)を血中に放出できず、空腹時に重篤な低血糖を来す。また、代謝されなかったグルコース-6-リン酸(G6P)は解糖系、ペントースリン酸経路、脂質合成経路へと向かうため、乳酸、尿酸、トリグリセリドの過剰産生を引き起こす。
試験での重要ポイント
「乳幼児期の空腹時低血糖(けいれん等)+肝腫大(人形様顔貌、腹部膨満)」が典型的なプレゼンテーション。血液検査における「低血糖、乳酸アシドーシス、高尿酸血症、高脂血症(高TG血症)」の4点セットは超頻出。確定診断に用いられる「グルカゴン負荷試験」または「アドレナリン負荷試験」において、「血糖値は上昇せず、乳酸値が上昇する」点も画像・表問題で極めてよく問われる。他の糖原病(II型ポンペ病など)との鑑別が必須である。
覚え方・コツ
「フォンギルケ(1型)は、G6Pase(酵素)がなくて、肝臓パンパン(肝腫大)、お腹すくと倒れる(空腹時低血糖)。血糖上がらず、乳酸・尿酸・脂質が上がる(3高)!」と覚える。
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急性副腎不全(副腎クリーゼ)は、生命維持に必要な副腎皮質ホルモンが急激に枯渇し、カテコラミン不応性のショックや意識障害をきたす致死的な内分泌救急疾患である。ステロイドの急な自己中断や感染症を契機に発症し、CBTや医師国家試験ではヒドロコルチゾンの即時投与が頻出の超重要疾患である。
橋本病(慢性甲状腺炎)は、甲状腺に対する自己免疫反応により甲状腺組織が慢性的に炎症を起こし、破壊される疾患である。原発性甲状腺機能低下症の最大の原因である。中年女性に好発する。CBTや医師国家試験では、特徴的な自己抗体(抗TPO抗体、抗Tg抗体)、無痛性のびまん性甲状腺腫大、そして甲状腺ホルモン(FT4)低下とTSH上昇という検査所見の組み合わせが毎年問われる超頻出疾患である。
クラインフェルター症候群は、男性の性染色体にX染色体が1つ以上過剰に存在する(代表例:47,XXY)先天性の染色体異常である。精巣の発育不全による原発性(高ゴナドトロピン性)性腺機能低下症を来し、長身、小睾丸、女性化乳房、無精子症を特徴とする。CBTや医師国家試験では、ホルモン値の異常パターン(LH・FSH高値、テストステロン低値)やターナー症候群との対比が毎年問われる超頻出疾患である。
亜急性甲状腺炎は、ウイルス感染が先行することが多い甲状腺の炎症性疾患である。甲状腺濾胞の破壊による一過性の甲状腺中毒症(FT4高値・TSH低値)と、強い前頸部痛、発熱を特徴とする。CBTや医師国家試験では、無痛性甲状腺炎やバセドウ病との鑑別(特に放射性ヨード取り込み率の低下、赤沈の著明亢進)や、ステロイドの著効が毎年問われる超頻出疾患である。