壊死性腸炎(NEC)は、早産・極低出生体重児において、未熟な腸管への血流不全や感染を契機に腸管壁の広範な壊死をきたす重篤な疾患である。人工乳による経腸栄養の開始後に発症しやすい。CBTや国試では、腹部X線における腸管壁内ガス像や門脈内ガス像、および腸管穿孔に対する外科的治療の適応が頻出である。
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腹部膨満(多くは最初のサイン)
胆汁性嘔吐、残乳(胃内残渣の増加)
血便
重症化すると、無呼吸発作、徐脈、体温変動、ショック、播種性血管内凝固(DIC)など全身状態の急速な悪化をきたす。
初期評価
経腸栄養開始後の未熟児における、腹部膨満、胃内残渣増加、血便のサインから強く疑う。
検査
腹部X線(立位または左側臥位正面)や腹部エコーで、「腸管の拡張」「腸管壁内ガス像(腸管の輪郭に沿った線状・気泡状の透亮像)」「門脈内ガス像(肝臓内の樹枝状透亮像)」を確認する。腸管穿孔を起こすと「腹腔内遊離ガス(free air)」がみられる。血液検査で炎症反応上昇、血小板減少(DICのサイン)、アシドーシスを確認する。
初期対応
疑った時点で直ちに「経腸栄養を中止(絶飲食)」し、「胃管を挿入して腸管の減圧」を行う。広域抗菌薬の静脈内投与と、中心静脈栄養(TPN)による全身管理を行う。
外科的治療(根本治療)
内科的保存治療で改善しない場合、腸管穿孔(free air陽性)を起こした場合、または明らかな腹膜炎の所見がある場合は緊急手術の適応となる。壊死した腸管を切除し、通常は一時的な人工肛門(ストーマ)を造設し、全身状態が改善してから後日吻合術を行う。
病態
未熟な腸管バリア機能、低酸素ストレス等による腸管虚血、および経腸栄養(特に人工乳)を契機とした腸内細菌の異常増殖が複合し、腸管壁に激しい炎症と壊死を引き起こす。回盲部付近(回腸末端〜上行結腸)に好発する。
原因
早産、極低出生体重児(1500g未満)などの未熟性が最大の要因である。母乳栄養に比べて「人工乳(粉ミルク)」で発症リスクが高い。
試験での重要ポイント
典型的な問題文は「人工乳による哺乳を開始した低出生体重児が、血便・腹部膨満・嘔吐(残乳)をきたした」というものである。画像診断が決定的に重要であり、腹部X線・エコーでの『腸管壁内ガス像(pneumatosis intestinalis)』や、それが血流に乗って肝臓の門脈に流れた『門脈内ガス像』が絶対暗記キーワードである。腸管穿孔(腹腔内遊離ガス:free air)を伴う場合は緊急手術となる。
覚え方・コツ
「NEC(壊死性腸炎)は未熟児が人工乳を飲み始めて起きる腸のパニック。お腹がパンパン(腹部膨満)で血便。レントゲンで腸の壁に沿った泡(腸管壁内ガス)と、肝臓の中のガス(門脈内ガス)を見逃すな!破れたら(free air)緊急手術!」
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新生児呼吸窮迫症候群(RDS)は、早産児において肺表面活性物質(サーファクタント)が欠乏することにより、肺胞が虚脱し進行性の呼吸不全をきたす疾患である。CBTや医師国家試験では、胸部X線での網状顆粒状影やエアブロンコグラム、および人工サーファクタント補充療法が頻出の重要疾患である。
新生児一過性多呼吸(TTN)は、胎児期の肺液の吸収遅延により、出生直後から一過性の多呼吸などの呼吸障害をきたす良性の疾患である。正期産児や予定帝王切開児に多い。CBTや医師国家試験では、RDSとの鑑別や、数日で自然軽快するため酸素投与による「経過観察」が正解となる点が頻出である。
新生児黄疸は、ビリルビン代謝の未熟性などにより生じる新生児期の黄疸である。大半は良性の生理的黄疸だが、重症化すると非抱合型(間接)ビリルビンが脳に沈着し、不可逆的な神経障害(核黄疸:ビリルビン脳症)をきたす。CBTや国試では、病的黄疸の基準や、光線療法・交換輸血の適応が超頻出である。
手足口病は、主にコクサッキーウイルスA16型やエンテロウイルス71型(EV71)の感染により、夏期の小児に手・足・口腔内の水疱性発疹をきたすウイルス性感染症である。CBTや医師国家試験では、ヘルパンギーナとの皮疹部位の鑑別や、EV71型による中枢神経合併症(髄膜炎など)への注意が頻出の重要疾患である。