クループ症候群(急性声門下喉頭炎)は、ウイルス感染によって声帯の下(声門下)に浮腫が生じ、上気道狭窄をきたす疾患である。CBTや国試では、犬吠様咳嗽(ケンケンという咳)、吸気性喘鳴、X線でのタワーサイン(steeple sign)、およびアドレナリン吸入とステロイド投与による治療が頻出の重要疾患である。
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犬吠様咳嗽(barking cough:ケンケン、オウオウという金属音様の咳)
吸気性喘鳴(stridor:息を吸い込むときにゼーゼー・ヒューヒュー鳴る)
嗄声(声がかすれる)
陥没呼吸(胸骨上窩や鎖骨上窩が吸気時にペコペコ凹む)
夜間に症状が増悪しやすい。
初期評価
特徴的な犬吠様咳嗽と吸気性喘鳴から臨床的に診断する。チアノーゼや意識低下(重症上気道狭窄のサイン)がないか直ちに評価する。
検査
頸部X線正面像で声門下気道の狭小化(steeple sign / タワーサイン)を確認する。※ただし、重症で呼吸困難が強い児を無理にX線撮影室に連れて行ったり、気道観察のために舌圧子で喉の奥を強く刺激したりすると、気道が完全に閉塞(窒息)する危険があるため慎重に行う。
鑑別
最大の鑑別疾患は、インフルエンザ桿菌(Hib)などによる細菌感染で急速に窒息に至る「急性喉頭蓋炎」である。喉頭蓋炎は流涎(よだれを垂らす)、嚥下痛が強く、咳は少なく、X線側面像で喉頭蓋の腫大(thumb sign)を認める。その他、気道異物と鑑別する。
初期対応・根本治療
気道浮腫を軽減するため、ボスミン(アドレナリン / エピネフリン)のネブライザー吸入を行い、速効性のあるデキサメタゾン(副腎皮質ステロイド)の内服または静注を行う。呼吸困難が強くSpO2が低下している重症例では入院とし、酸素投与を行う。気道閉塞が切迫している場合は、速やかに気管挿管を行う。
病態
気道の中で最も狭い「声門下領域」に炎症性浮腫が生じるため、吸気時に気道が狭窄し、特有の咳や喘鳴を引き起こす。進行すると重篤な低酸素血症をきたす。
原因
主に『パラインフルエンザウイルス』などのウイルス感染。生後6ヶ月〜3歳の乳幼児に好発する。
試験での重要ポイント
「乳幼児」が夜間に突然、「ケンケン、オウオウという犬やオットセイの鳴き声のような咳(『犬吠様咳嗽:barking cough』)」と、「息を吸うときのゼーゼー音(『吸気性喘鳴:stridor』)」をきたすエピソードが超定番(※RSウイルスの細気管支炎や喘息は『呼気性』喘鳴)。頸部X線正面像で、声門下気道が鉛筆の先や教会の塔のように細く尖って見える『タワーサイン(steeple sign)』が画像問題のキーワード。治療の第一選択は気道浮腫を速やかに取るための『アドレナリン(エピネフリン)の吸入』と『ステロイドの全身投与』である。
覚え方・コツ
「クループは、喉仏の下(声門下)がパンパンに腫れて空気が吸えない(吸気性喘鳴)。咳は犬の鳴き声(犬吠様咳嗽)。レントゲンで気管が先細りの塔(タワーサイン/steeple sign)。治療は即座にアドレナリン吸入で気道を広げて、ステロイドで腫れを引かせろ!」
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