カサバッハ・メリット症候群は、乳幼児の巨大な血管性腫瘍の内部で血小板や凝固因子が大量に消費され、重篤な血小板減少と消費性凝固障害(DIC様病態)をきたす致死的な疾患である。
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急速に増大する巨大で硬い紫紅色の腫瘤(カポジ型血管内皮腫など)
腫瘤局所の熱感、疼痛、出血斑
全身の出血傾向(点状出血、紫斑、鼻出血、消化管出血、頭蓋内出血)
貧血、黄疸(溶血性)
初期評価
乳幼児の巨大な血管腫と、それに伴う出血傾向・紫斑から直ちに疑う。
検査
血液検査で「重度の血小板減少(数万/μL以下)」「フィブリノゲン低下」「FDP/Dダイマー上昇」「プロトロンビン時間(PT)の延長」を確認する。画像検査(エコー、MRI)で腫瘍の広がりを評価する。腫瘍の生検は出血リスクが高いため、通常は画像と臨床所見で行う。
治療方針
超緊急疾患。血小板輸血は腫瘍内での消費と腫大をさらに悪化させるため、活動性の出血がある場合を除き『原則禁忌または慎重投与』である。
腫瘍の増殖を抑える根本治療として、副腎皮質ステロイドの全身投与、ビンクリスチン、またはmTOR阻害薬(シロリムス)が有効である。緊急時には動脈塞栓術(TAE)や放射線照射、外科的切除が行われることもある。
病態
カポジ型血管内皮腫(KHE)や房状血管腫(TA)といった巨大な血管性腫瘍の複雑な血管網の中で、血小板が捕捉・破壊され、凝固カスケードが活性化される。これにより全身の血小板とフィブリノゲンが枯渇し、出血傾向をきたす。
試験・臨床での重要ポイント
「乳幼児」の「体幹や四肢に急速に増大する暗赤色〜紫紅色の巨大な腫瘤」があり、血液検査で『著明な血小板減少』と『フィブリノゲン低下、FDP上昇(DICパターン)』を認めるのが超定番。単なる乳児血管腫(イチゴ状血管腫)では起こらない合併症であるため、鑑別が重要である。
覚え方・コツ
「カサバッハ・メリットは、巨大な血管のオバケ(血管腫)が血小板を食い尽くす病気!赤ちゃんの体にできた巨大なアザの中で血が固まり続け、全身の血小板と凝固因子(フィブリノゲン)がカラッカラになって血が止まらなくなる(消費性凝固障害)。」
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TRAPSは、TNF(腫瘍壊死因子)受容体の遺伝子変異により、病原体の感染がないのに自然免疫が暴走して長期間の発熱を繰り返す「自己炎症性疾患」。1週間以上続く発熱、遊走性の筋肉痛、眼周囲の浮腫を特徴とする。
新生児低血糖は、生後早期の新生児において血糖値が異常に低下した状態。脳のエネルギー源が枯渇するため、放置すると不可逆的な中枢神経障害(発達遅滞や脳性麻痺)を残す。母体糖尿病やFGR、早産児がハイリスクとなる。
大動脈縮窄症(CoA)は、大動脈の一部(多くは動脈管索付近)が先天的に狭くなっている疾患である。狭窄部より上(腕・頭)は高血圧となり、下(下肢)は血流低下をきたす「上下肢の血圧差」が最大の特徴。Turner症候群に高率に合併する。
プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「父親由来」の発現異常(ゲノムインプリンティング異常)による疾患。乳児期の重度筋緊張低下から一転し、幼児期以降は満腹中枢の異常による過食と高度肥満を呈する。