医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
アレキサンダー病は、GFAP遺伝子の変異によりアストロサイトに異常タンパク質(ローゼンタール線維)が蓄積する稀な白質形成不全症(大脳白質変性症)である。乳幼児期発症型では巨頭症、けいれん、精神運動発達遅滞を呈し、前頭葉優位の白質病変が特徴的である。
乳幼児型:巨頭症(頭囲拡大)、けいれん、精神運動発達遅滞、痙性麻痺。
成人型:球麻痺症状(むせ、ろれつが回らない)、痙性対麻痺、睡眠時無呼吸、自律神経症状。
初期評価
乳幼児期の頭囲拡大と発達遅滞、または成人における進行性の球麻痺から疑う。
検査
頭部MRI検査が非常に有用。乳幼児型では『前頭葉優位の大脳白質異常信号(T2高信号)』と、脳室周囲の高信号の縁取り(periventricular rim)を認める。成人型では延髄や上部頸髄の萎縮(おたまじゃくしサイン)を認める。確定診断はGFAP遺伝子検査。
治療方針
現在、根本的な治療法は存在せず、症状に応じた対症療法が行われる。けいれんに対する抗てんかん薬、嚥下障害に対する胃瘻造設、痙縮に対する筋弛緩薬やボツリヌス療法など。GFAPの発現を抑える核酸医薬(アンチセンスオリゴヌクレオチド)の臨床試験が進行中である。
病態
アストロサイトの中間径フィラメントであるGFAP(グリア線維酸性タンパク質)の遺伝子変異により、異常なGFAPが凝集し『ローゼンタール(Rosenthal)線維』として蓄積する。これにより髄鞘形成不全や白質変性が進行する。
試験・臨床での重要ポイント
国試や専門医試験では、『GFAP遺伝子』『ローゼンタール線維』『巨頭症(乳幼児型)』『前頭葉優位の白質病変』がセットで問われる。発症時期により乳幼児型、若年型、成人型に分かれ、成人型では巨頭症はなく、球麻痺(嚥下障害・構音障害)や痙性対麻痺などの自律神経・運動症状が目立つ(延髄・頸髄の萎縮)。
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
脳動静脈奇形(AVM)は、脳の動脈と静脈が正常な毛細血管網を介さずに、ナイダス(nidus)と呼ばれる異常な血管の塊を介して直接つながっている先天性の血管奇形である。若年者の脳出血や、てんかん発作の重要な原因となる。
アミロイドアンギオパチー(CAA)は、大脳皮質および軟膜の小〜中血管壁にβアミロイドタンパクが沈着し、血管が脆弱になる疾患である。高齢者の「皮質下出血(脳葉出血)」の主要な原因であり、アルツハイマー型認知症に高率に合併する。
もやもや病は、内頸動脈の終末部が進行性に狭窄・閉塞し、それを代償するために脳底辺部に細い異常血管網(もやもや血管)が形成される原因不明の疾患である。小児期には過呼吸を契機とする脳虚血発作、成人期にはもやもや血管の破綻による脳出血で発症する。
脳出血は、脳実質内の細い血管が破綻して出血する疾患。高血圧を原因とする高血圧性脳出血が大部分を占め、被殻、視床、小脳、橋などで生じる。出血部位に応じた局所神経症状(片麻痺や眼球運動障害)が急激に出現する。