胎便イレウスは、新生児期に通常より粘稠度(ネバネバ)の高い胎便が回腸末端部に詰まることで生じる腸閉塞である。欧米では「嚢胞性線維症(CF)」の初発症状として有名であるが、日本人では稀である。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
生後24〜48時間以内の胎便排泄遅延(または欠如)。
腹部膨満。
胆汁性嘔吐(緑色のものを吐く)。
腹部X線:拡張した小腸ガス像(鏡面像は出にくい)、右下腹部のSoap bubble appearance(石鹸泡状陰影)。
注腸造影検査:小細結腸(マイクロコロン:胎児期から使われていないため細い大腸)と、回腸末端の胎便による透亮像(ペレット状)を確認する。
保存的治療(第一選択):診断を兼ねた『ガストログラフィン注腸』。高浸透圧により腸管内に水分を引き込み、粘稠な胎便を軟らかくして洗い流す効果(治療的注腸)がある。
外科的治療:注腸で解除できない場合、または穿孔・腹膜炎を合併している場合は、開腹手術(胎便の用手摘出、腸瘻造設など)が必要となる。
病態
膵臓からの消化酵素の分泌低下や腸分泌液の異常により、胎便が異常に粘稠となる。これが回腸末端に栓(プラグ)のように詰まることで完全または不完全な閉塞をきたす。
試験での重要ポイント
『嚢胞性線維症(CF)』との関連が超重要キーワード。新生児の「胆汁性嘔吐(緑色の嘔吐)」と「胎便排泄遅延(生後24〜48時間出ない)」を見たら、腸鎖閉症、ヒルシュスプルング病とともに本疾患を鑑別する。
腹部X線で、右下腹部にすりガラス状の陰影(Soap bubble sign:粘稠な胎便とガスが混ざった像)を認めるのが特徴的。診断と治療を兼ねて『ガストログラフィン(高浸透圧造影剤)』による注腸造影を行う。
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
TRAPSは、TNF(腫瘍壊死因子)受容体の遺伝子変異により、病原体の感染がないのに自然免疫が暴走して長期間の発熱を繰り返す「自己炎症性疾患」。1週間以上続く発熱、遊走性の筋肉痛、眼周囲の浮腫を特徴とする。
新生児低血糖は、生後早期の新生児において血糖値が異常に低下した状態。脳のエネルギー源が枯渇するため、放置すると不可逆的な中枢神経障害(発達遅滞や脳性麻痺)を残す。母体糖尿病やFGR、早産児がハイリスクとなる。
大動脈縮窄症(CoA)は、大動脈の一部(多くは動脈管索付近)が先天的に狭くなっている疾患である。狭窄部より上(腕・頭)は高血圧となり、下(下肢)は血流低下をきたす「上下肢の血圧差」が最大の特徴。Turner症候群に高率に合併する。
プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「父親由来」の発現異常(ゲノムインプリンティング異常)による疾患。乳児期の重度筋緊張低下から一転し、幼児期以降は満腹中枢の異常による過食と高度肥満を呈する。