医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
OTC欠損症は、尿素サイクル異常症の中で最も頻度が高く、唯一のX連鎖遺伝(X染色体連鎖潜性遺伝)をとる疾患である。アンモニアを代謝できずに高アンモニア血症をきたし、重篤な脳症を引き起こす。尿中へのオロト酸排泄増加が特徴である。
新生児重症型(男児に多い):生後数日で哺乳不良、多呼吸、嘔吐、意識障害、けいれん(高アンモニア脳症)。
遅発型(女児や軽症男児):小児期以降に、タンパク質の過剰摂取や感染を契機として嘔吐や意識障害を反復する。タンパク質(肉など)を嫌う偏食傾向がみられることが多い。
血液検査:『高アンモニア血症』(BUNは低値〜正常にとどまる)。アミノ酸分析で血中グルタミン・アラニンの上昇、シトルリン・アルギニンの低下。
尿検査:『オロト酸排泄の増加』が鑑別の鍵となる。
確定診断:遺伝子解析、または肝生検組織におけるOTC酵素活性の低下。
急性期治療
直ちにタンパク質摂取を中止し、異化亢進を抑えるためブドウ糖を大量輸液する。アンモニア排泄促進薬(安息香酸ナトリウム、フェニル酪酸ナトリウム)の静注。重症例では血液透析(CHDFなど)で強制的にアンモニアを抜く。
慢性期治療
低タンパク・高カロリー食の徹底。不足するアミノ酸(シトルリンやアルギニン)の補充療法。根本的治療として『肝移植』の適応となる。
病態
タンパク質の分解で生じた有毒なアンモニアを無毒な尿素に変換する「尿素サイクル」の酵素(OTC)が欠損する。アンモニアが蓄積し、行き場を失った代謝産物が代償的にピリミジン合成経路へ流れるため、尿中オロト酸が著増する。
試験・臨床での重要ポイント
他の尿素サイクル異常症が常染色体潜性(劣性)遺伝であるのに対し、OTC欠損症は『X連鎖遺伝』である点が超頻出。したがって重症化するのは主に「男児」である(女児は保因者だがライオニゼーションにより発症することもある)。『高アンモニア血症』と『尿中オロト酸(orotic acid)の増加』の組み合わせを見たらOTC欠損症と診断する。
覚え方・コツ
「OTC欠損症は尿素サイクル異常症の王様で、唯一の『X(エックス)』遺伝!男の子が重症になる。アンモニアが処理できなくて脳がやられる(意識障害・けいれん)。余った材料が別のルートに流れて『オロト酸』としておしっこから大量に出るのが決定的証拠!」
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
Eisenmenger症候群は、左右シャントを伴う先天性心疾患(VSD、ASD、PDAなど)を放置した結果、長期間の肺血流量増加により肺血管抵抗が著明に上昇し(不可逆的な肺高血圧症)、シャントの血流が「右から左(右左シャント)」へ逆転した重篤な状態。根治手術(欠損孔閉鎖)は禁忌となる。
Ebstein病は、先天的に三尖弁(右房と右室の間の弁)が右心室側に深く落ち込んで付着し、右心房が著明に拡大する稀な先天性心疾患である。三尖弁閉鎖不全症(TR)や右心不全をきたし、WPW症候群を高率に合併する。
脳性麻痺は、受胎から新生児期(生後4週以内)までの間に生じた非進行性の脳の病変に基づく、永続的な運動および姿勢の異常である。原因疾患と麻痺の型の組み合わせ(早産のPVLによる痙直型など)が頻出である。
胎便イレウスは、新生児期に通常より粘稠度(ネバネバ)の高い胎便が回腸末端部に詰まることで生じる腸閉塞である。欧米では「嚢胞性線維症(CF)」の初発症状として有名であるが、日本人では稀である。