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サンフィリッポ症候群は、リソソーム酵素の欠損により、ヘパラン硫酸が中枢神経系に蓄積する常染色体潜性遺伝疾患(ムコ多糖症III型)である。他のムコ多糖症と異なり身体的特徴は軽度だが、極めて重篤な中枢神経の退行と多動・攻撃性などの行動異常を特徴とする。
重度の精神運動発達遅滞、認知機能の退行(喪失)
激しい行動異常(多動、衝動性、攻撃性、自閉症様症状)
睡眠障害(重度の不眠、夜間徘徊)
けいれん発作(進行期)
身体症状は軽微(軽度の粗な顔立ち、軽度の肝脾腫、多毛など。角膜混濁はない)
初期評価
2〜6歳頃からの急激な発達退行、多動、言語喪失から疑う(自閉スペクトラム症やADHDと誤診されやすい)。
検査
尿中のムコ多糖(特に『ヘパラン硫酸』の単独排泄)の増加を確認する。血液(白血球)または皮膚線維芽細胞での各原因酵素(サルファミダーゼ等)の活性低下を証明し確定診断とする。
治療方針
現在、血液脳関門(BBB)を通過して中枢神経症状を改善できる確立された酵素補充療法(ERT)は存在しない(臨床試験中)。多動、不眠、けいれんに対する薬物療法(抗精神病薬、睡眠導入薬、抗てんかん薬)などの対症療法と、家族への手厚いケア・支援が中心となる。
病態
ヘパラン硫酸の分解に関わる4つの酵素のいずれかが欠損(III A〜D型)。分解されないヘパラン硫酸が主に中枢神経系に蓄積し、神経細胞を障害する。
試験・臨床での重要ポイント
他のムコ多糖症(I型ハーラー症候群、II型ハンター症候群など)で見られる「特異顔貌(ガーゴイル顔貌)」や「著明な骨変形」「角膜混濁」は『軽微または欠如』しているのが最大の特徴。その代わり、2〜6歳頃から言葉を忘れ、極度の多動、破壊的行動、睡眠障害といった『重度の中枢神経退行と激しい行動異常』が前面に出る。「身体は元気なのに、知能が退行して暴れまわる」エピソードがキーワード。
覚え方・コツ
「ムコ多糖症の異端児、サンフィリッポ(III型)!顔の変形や目の濁り(身体症状)は少ないのに、『脳だけが激しくやられる』。小さい頃は普通だったのに、突然言葉を失い、超絶多動で暴れまわり、夜も寝なくなる(激しい行動異常)。」
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TRAPSは、TNF(腫瘍壊死因子)受容体の遺伝子変異により、病原体の感染がないのに自然免疫が暴走して長期間の発熱を繰り返す「自己炎症性疾患」。1週間以上続く発熱、遊走性の筋肉痛、眼周囲の浮腫を特徴とする。
新生児低血糖は、生後早期の新生児において血糖値が異常に低下した状態。脳のエネルギー源が枯渇するため、放置すると不可逆的な中枢神経障害(発達遅滞や脳性麻痺)を残す。母体糖尿病やFGR、早産児がハイリスクとなる。
大動脈縮窄症(CoA)は、大動脈の一部(多くは動脈管索付近)が先天的に狭くなっている疾患である。狭窄部より上(腕・頭)は高血圧となり、下(下肢)は血流低下をきたす「上下肢の血圧差」が最大の特徴。Turner症候群に高率に合併する。
プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「父親由来」の発現異常(ゲノムインプリンティング異常)による疾患。乳児期の重度筋緊張低下から一転し、幼児期以降は満腹中枢の異常による過食と高度肥満を呈する。