急性扁桃炎は、口蓋扁桃にウイルスや細菌が感染し、発赤・腫脹や白苔(膿栓)を伴う急性炎症である。激しい咽頭痛と高熱をきたす。A群β溶血性連鎖球菌(溶連菌)が原因の場合は、合併症予防のためペニシリン系抗菌薬の投与が必要となる。
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高熱、悪寒。
激しい咽頭痛、嚥下痛(食事が摂れず脱水になりやすい)。
前頸部リンパ節の圧痛・腫脹。
身体所見:口蓋扁桃の著明な発赤・腫脹、表面の膿栓(白苔)。
迅速検査:A群β溶連菌迅速抗原検査(ノドのぬぐい液)。アデノウイルス迅速検査。
血液検査:白血球増多、CRP上昇。EBウイルスを疑う場合は異型リンパ球の確認。
対症療法(基本):鎮痛解熱薬(アセトアミノフェンやNSAIDs)、含嗽(うがい)、十分な水分摂取。
抗菌薬療法(溶連菌陽性・疑いの場合):『ペニシリン系抗菌薬(アモキシシリンなど)』を10日間投与。ペニシリンアレルギーの場合はセフェム系やマクロライド系を使用。
合併症への対応:扁桃周囲膿瘍に進行し、開口障害などをきたした場合は、切開排膿と点滴抗菌薬が必要となる。
病態
口蓋扁桃(いわゆる扁桃腺)における急性感染症。アデノウイルス、EBウイルスなどのウイルス性が大部分を占めるが、細菌性ではA群β溶連菌が最も重要である。
試験・臨床での重要ポイント
「ツバを飲み込むのも痛い(嚥下痛)」と高熱が特徴。
『溶連菌性扁桃炎』の鑑別が臨床上極めて重要であり、①発熱、②白苔を伴う扁桃腫大、③前頸部リンパ節腫脹、④咳がない(Centorスコア)を満たせば強く疑う。溶連菌の場合は、後に『リウマチ熱』や『急性糸球体腎炎』を引き起こすリスクがあるため、ペニシリン系抗菌薬を10日間きっちり飲み切らせることが鉄則。
また、EBウイルスによる『伝染性単核球症(IM)』との鑑別も重要(IMにペニシリンを投与すると皮疹が出るため禁忌)。
覚え方・コツ
「扁桃炎は『ノドの奥の白いブツブツと高熱』!原因の多くはウイルスだけど、見逃しちゃいけないのが『溶連菌』。咳が出ないのが特徴。溶連菌だとわかったら、心臓や腎臓の合併症(リウマチ熱・腎炎)を防ぐために、症状が良くなっても『ペニシリンを10日間』絶対に飲み切らせろ!」
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MRSA腸炎は、広域抗菌薬の使用により正常な腸内細菌叢が抑制され、耐性を持つメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が異常増殖して生じる交代現象(菌交代症)の一つである。高齢者の術後などに激しい水様便や緑色便をきたし、急速に脱水・ショックへ進行する重症病態である。
肺炎球菌による市中肺炎(CAP)の最多かつ最も重要な原因疾患。悪寒戦慄を伴う急激な高熱と、「鉄錆色痰(てつさびいろたん)」が特徴的。肺の一葉がベッタリと白くなる大葉性肺炎を呈する。
レジオネラ肺炎は、温泉や24時間風呂、空調の冷却塔などの水系設備から発生するエアロゾルを吸入することで感染する、重症化しやすい非定型肺炎である。高熱に不釣り合いな「相対的徐脈」と、消化器・神経症状、および「低ナトリウム血症」を伴うのが特徴である。
マイコプラズマ肺炎は、「若年者(学童〜若年成人)」に好発する非定型肺炎の代表である。頑固な乾いた咳(乾性咳嗽)が特徴で、細胞壁を持たない菌であるためペニシリンなどのβラクタム系抗菌薬が無効であり、マクロライド系が第一選択となる。