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プロピオン酸血症は、分枝鎖アミノ酸などの代謝に必須なプロピオニルCoAカルボキシラーゼの欠損により、プロピオン酸などの有機酸が体内に蓄積する常染色体潜性遺伝疾患である。新生児期からの重篤なケトアシドーシス発作を繰り返す。
急性期(メタボリッククライシス):哺乳不良、嘔吐、脱水、多呼吸(Kussmaul呼吸)、嗜眠、昏睡、けいれん。
慢性期:精神運動発達遅滞、筋緊張低下、錐体外路症状(大脳基底核病変)、心筋症。
初期評価
新生児期・乳児期の原因不明の重度アシドーシス、高アンモニア血症、あるいは新生児マススクリーニングの異常(プロピオニルカルニチン[C3]の上昇)から直ちに疑う。
検査
血液ガス分析で高アニオンギャップ性代謝性アシドーシス。尿有機酸分析で『メチルクエン酸』『3-ヒドロキシプロピオン酸』の多量排泄を証明し確定診断とする(これがプロピオン酸血症の特異的マーカー)。PCCA/PCCB遺伝子解析。
急性期治療
直ちにタンパク質(ミルク)の摂取を中止し、ブドウ糖の大量静注(異化の抑制)を行う。アシドーシスの補正、高アンモニアに対する血液透析(CHDF)を躊躇なく行う。
慢性期治療
原因アミノ酸(VIMT)を制限した低タンパク食と特殊ミルクの継続投与。有害な有機酸の排泄を促すため『L-カルニチン』の内服を行う。腸内細菌によるプロピオン酸産生を抑えるためメトロニダゾール等の内服も有効。重症例では肝移植が検討される。
病態
バリン、イソロイシン、メチオニン、スレオニン(VIMT)、奇数鎖脂肪酸、コレステロールの代謝経路が遮断される。蓄積した有機酸によりミトコンドリア機能が障害され、重度のアシドーシス、高アンモニア血症などをきたす。
試験・臨床での重要ポイント
出生直後は正常だが、哺乳(タンパク質摂取)を開始した数日後から、哺乳不良、嘔吐、嗜眠状態となり、急速に『重度のケトアシドーシス』と『高アンモニア血症』に陥る(メタボリッククライシス)のが典型的な発症パターン。「新生児マススクリーニング」の対象疾患(C3上昇)である。急激な脳症や骨髄抑制(汎白血球減少)も特徴。
覚え方・コツ
「プロピオン酸血症は有機酸代謝異常の代表格。ミルク(タンパク質)を飲むと酸(プロピオン酸)が溜まって血液が酸性になり(ケトアシドーシス)、アンモニアが溢れて意識が飛ぶ!マススクリーニングで見つけて、特殊ミルクとカルニチンで発作を防げ!」
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TRAPSは、TNF(腫瘍壊死因子)受容体の遺伝子変異により、病原体の感染がないのに自然免疫が暴走して長期間の発熱を繰り返す「自己炎症性疾患」。1週間以上続く発熱、遊走性の筋肉痛、眼周囲の浮腫を特徴とする。
新生児低血糖は、生後早期の新生児において血糖値が異常に低下した状態。脳のエネルギー源が枯渇するため、放置すると不可逆的な中枢神経障害(発達遅滞や脳性麻痺)を残す。母体糖尿病やFGR、早産児がハイリスクとなる。
大動脈縮窄症(CoA)は、大動脈の一部(多くは動脈管索付近)が先天的に狭くなっている疾患である。狭窄部より上(腕・頭)は高血圧となり、下(下肢)は血流低下をきたす「上下肢の血圧差」が最大の特徴。Turner症候群に高率に合併する。
プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「父親由来」の発現異常(ゲノムインプリンティング異常)による疾患。乳児期の重度筋緊張低下から一転し、幼児期以降は満腹中枢の異常による過食と高度肥満を呈する。