遺伝性球状赤血球症は、赤血球の膜タンパク質(スペクトリンやアンキリンなど)の異常により、赤血球が球状になり、脾臓で過剰に破壊される(血管外溶血)先天性溶血性貧血である。日本人で最も多い遺伝性溶血性貧血である。
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貧血症状:易疲労感、息切れ、顔面蒼白。
溶血症状:黄疸(眼球結膜の黄染)、褐色尿、脾腫、胆石発作(右季肋部痛)。
無形成発作:パルボウイルスB19感染による急激な重症貧血。
血液検査:貧血、網赤血球増加(代償性造血)、間接ビリルビン上昇、ハプトグロビン低下、LDH上昇。
末梢血塗抹:中心淡染が消失した『小型の球状赤血球』の多数出現。MCHC上昇。
特殊検査:『赤血球浸透圧脆弱性試験』において脆弱性亢進(陽性)。クームス試験は陰性(AIHAとの鑑別)。
対症療法:葉酸の補充(造血亢進による消費増大のため)。
外科的治療(根本治療):中等症〜重症例では『脾臓摘出術(脾摘)』を行う。※脾摘後は肺炎球菌などの莢膜を持つ細菌への感染リスク(OPSI)が高まるため、術前に肺炎球菌ワクチンの接種が必須。
病態
赤血球の骨格を支えるタンパク質に異常があるため、細胞膜の一部がちぎれて失われ、表面積が減少して丸い球状(球状赤血球)になる。球状赤血球は変形能が低いため、脾臓の細い血管(脾索)を通り抜けられず、マクロファージに貪食されて壊される(血管外溶血)。
試験・臨床での重要ポイント
『貧血・黄疸・脾腫』の溶血三徴に、『胆石(ビリルビンカルシウム結石)』の合併が定番エピソード。丸くなるため赤血球内のHb濃度が高まり『MCHCが上昇』する(※小球性になることが多いが、MCHCが上がるのが特徴)。
診断の決め手は『赤血球浸透圧脆弱性試験(陽性)』。塩分濃度を下げていくと、健常な赤血球より早くパンクして割れる。
最大の注意点は『パルボウイルスB19』感染。これに感染すると骨髄での造血が一時ストップし、急激な大貧血(無形成発作:aplastic crisis)を起こす。
覚え方・コツ
「HSは『赤血球が丸くて硬いせいで、脾臓に引っかかって壊される病気』!壊れたカス(ビリルビン)で黄疸や黒い胆石ができる。丸いから中身がギュッと詰まって『MCHCが上がる』!薄い食塩水に入れるとすぐ割れる(浸透圧脆弱性)。パルボウイルス(リンゴ病)にかかると血が作れなくなって死にかけるから要注意!治療は赤血球の墓場である『脾臓を取る(摘出)』ことだ!」
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鉄欠乏性貧血は、ヘモグロビンの構成成分である鉄の不足により、赤血球の産生が低下して生じる貧血。全貧血の中で最も頻度が高く、小球性低色素性貧血を呈する。原因検索(消化管出血や過多月経など)が治療と同じくらい重要である。
血小板減少症は、一次止血を担う血小板数が基準値(通常15万/μL以下)に低下する病態。点状出血や紫斑などの皮膚粘膜出血を特徴とし、免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、播種性血管内凝固症候群(DIC)、骨髄での産生低下(白血病など)が代表的な原因である。
クリオグロブリン血症は、体温より低い温度(寒冷曝露)で沈殿し、37℃に温めると再溶解する異常な免疫グロブリン(クリオグロブリン)が血中に存在する病態。C型肝炎(HCV)感染に高率に合併し、紫斑や関節痛、腎障害を引き起こす。
AIHAは、自己の赤血球に対する抗体(自己抗体)が産生され、赤血球が破壊(溶血)されることで進行性の貧血や黄疸をきたす疾患である。「温式(IgG)」と「冷式(IgM)」に大別され、直接クームス試験陽性が確定診断の要となる。