AIHAは、自己の赤血球に対する抗体(自己抗体)が産生され、赤血球が破壊(溶血)されることで進行性の貧血や黄疸をきたす疾患である。「温式(IgG)」と「冷式(IgM)」に大別され、直接クームス試験陽性が確定診断の要となる。
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貧血症状:動悸、息切れ、全身倦怠感。
溶血症状:黄疸(眼球結膜の黄染)、褐色尿、脾腫。
冷式特有:寒冷時の末梢循環障害(チアノーゼ、レイノー現象)。
血液・生化学検査:Hb低下。網赤血球増加(骨髄の代償)。間接ビリルビン上昇、LDH上昇、ハプトグロビン低下(溶血所見)。
免疫学的検査:『直接クームス試験陽性』(赤血球に自己抗体が結合している証明)。
末梢血塗抹:温式は球状赤血球、冷式は赤血球凝集。
温式AIHA:第一選択は『副腎皮質ステロイド』。無効例や再発例には『脾臓摘出術(赤血球の破壊場所を取る)』、または免疫抑制薬、リツキシマブ(抗CD20抗体)を使用する。
冷式AIHA(CAD):保温(寒冷曝露の回避)が基本。ステロイドや脾摘は無効であることが多い。基礎疾患(マイコプラズマ等)の治療。重症例にはリツキシマブ。
病態
自己抗体が結合した赤血球が、脾臓のマクロファージに貪食される(血管外溶血:温式)、または補体の活性化により血管内で破壊される(血管内溶血:冷式)。
試験・臨床での重要ポイント
『温式(IgG抗体)』が大部分を占め、SLEなどの膠原病や悪性リンパ腫に合併することが多い。末梢血塗抹標本での『球状赤血球』が特徴。
『冷式(寒冷凝集素症:CAD、IgM抗体)』は、『マイコプラズマ肺炎』の後に発症し、寒冷曝露で手足が紫色になる(チアノーゼ、レイノー現象)のが定番エピソード。赤血球の『連銭形成(凝集)』が見られる。
溶血の3大所見『間接ビリルビン上昇、ハプトグロビン低下、網赤血球増加』と、自己免疫の証明である『直接クームス試験陽性』が絶対暗記のキーワード。
覚え方・コツ
「AIHAは『自分の赤血球を敵とみなして壊す(溶血)』病気!壊れた赤血球の中身(ビリルビン)が漏れて『黄疸』になり、掃除役の『ハプトグロビン』が使い果たされて減る。証拠集めの『クームス試験』は絶対に陽性!温式(IgG)はステロイドや脾摘が効くけど、冷式(IgM:マイコプラズマの後)はステロイドが効きにくいから『とにかく温める』のが大事!」
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クリオグロブリン血症は、体温より低い温度(寒冷曝露)で沈殿し、37℃に温めると再溶解する異常な免疫グロブリン(クリオグロブリン)が血中に存在する病態。C型肝炎(HCV)感染に高率に合併し、紫斑や関節痛、腎障害を引き起こす。
ALPSは、リンパ球のアポトーシス(細胞死)障害により、慢性的な非悪性リンパ増殖(リンパ節腫脹、肝脾腫)と自己免疫疾患(主に血球減少症)をきたす稀な遺伝性免疫疾患である。ダブルネガティブT細胞(DNT)の増加が特徴的。
急性前骨髄球性白血病(APL)は、骨髄芽球から前骨髄球への分化段階で成熟が停止する急性骨髄性白血病(FAB分類M3)である。重篤なDIC(播種性血管内凝固症候群)を合併しやすく致死的になり得るが、ATRA(分化誘導療法)が劇的に著効する特異な白血病である。
原発性骨髄線維症(PMF)は、骨髄増殖性腫瘍(MPN)の一つであり、異常増殖した巨核球から放出されるサイトカインにより骨髄が線維化する疾患である。造血の場を奪われた血液細胞が脾臓や肝臓で造血(髄外造血)を行うため、巨大脾腫と末梢血の涙滴赤血球が特徴である。