アルカプトン尿症は、ホモゲンチジン酸酸化酵素の欠損により、チロシン・フェニルアラニンの代謝産物であるホモゲンチジン酸が体内に蓄積する常染色体潜性遺伝疾患である。尿の黒変と、加齢に伴う軟骨の黒変(組織黒変症:オクロノーシス)や関節炎が特徴である。
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尿の黒変(排尿直後は正常だが、放置やアルカリ化により黒くなる)
組織黒変症(耳介軟骨、強膜、鼻軟骨などの青黒い色素沈着)
オクロノーシス性関節症(30代以降に発症する、脊椎や膝・股関節の進行性かつ重度の関節炎)
初期評価
乳幼児期の尿の黒変、または成人期の色素沈着と早期の関節炎から疑う。
検査
尿中の『ホモゲンチジン酸の著増』をガスクロマトグラフィー質量分析(GC/MS)などで証明する。X線で脊椎の椎間板の石灰化や狭小化を確認する。
治療方針
根治治療はない。チロシンやフェニルアラニンの制限食(低タンパク食)、およびホモゲンチジン酸の酸化を抑えるためのビタミンC(アスコルビン酸)大量投与が行われる。近年、酵素阻害薬であるニチシノン(高チロシン血症1型の治療薬)がホモゲンチジン酸の産生を抑えるとして使用されることがある。重度の関節炎には人工関節置換術を行う。
病態
HGD遺伝子の変異による。蓄積したホモゲンチジン酸が尿中に排泄され、空気に触れて酸化(アルカリ化)されると黒色に変化する。また、結合組織(軟骨など)に沈着するとメラニン様の黒色色素となり、組織を脆くする。
試験・臨床での重要ポイント
「おむつの尿が黒くなる(放置すると黒変する)」という乳幼児期のエピソードが定番。成人以降に、耳介の軟骨や強膜(白目)が青黒く変色する『組織黒変症(オクロノーシス)』をきたす。さらに、色素が沈着した脊椎や大関節の軟骨が破壊され、重度の『オクロノーシス性関節炎(腰痛、関節痛)』を引き起こす点が臨床的に重要。
覚え方・コツ
「アルカプトンは『黒くなる』病気!赤ちゃんの時はオムツのおしっこが空気に触れて真っ黒に。大人になると、耳の軟骨や白目が青黒く染まり(組織黒変症)、関節のクッションが真っ黒になってボロボロに砕ける(関節炎)!」
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TRAPSは、TNF(腫瘍壊死因子)受容体の遺伝子変異により、病原体の感染がないのに自然免疫が暴走して長期間の発熱を繰り返す「自己炎症性疾患」。1週間以上続く発熱、遊走性の筋肉痛、眼周囲の浮腫を特徴とする。
新生児低血糖は、生後早期の新生児において血糖値が異常に低下した状態。脳のエネルギー源が枯渇するため、放置すると不可逆的な中枢神経障害(発達遅滞や脳性麻痺)を残す。母体糖尿病やFGR、早産児がハイリスクとなる。
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プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「父親由来」の発現異常(ゲノムインプリンティング異常)による疾患。乳児期の重度筋緊張低下から一転し、幼児期以降は満腹中枢の異常による過食と高度肥満を呈する。