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高IgE症候群(Job症候群)は、STAT3遺伝子などの変異によりTh17細胞が分化不全に陥り、重度のアトピー様湿疹、反復するブドウ球菌感染(冷膿瘍)、著明な高IgE血症を三徴とする原発性免疫不全症である。
免疫・感染症状:黄色ブドウ球菌による反復する皮膚膿瘍(冷膿瘍)、反復する重症肺炎とそれに続く肺気瘤(嚢胞)形成、カンジダ感染症。
アレルギー様症状:新生児期からの重度の湿疹、著明な高IgE血症、好酸球増多。
骨格・顔貌異常:特異顔貌(粗な顔立ち、広い鼻筋)、乳歯の晩期残存(永久歯が生えても抜けない)、関節過可動、骨折のしやすさ。
初期評価
乳幼児期の難治性湿疹と、熱をもたない皮膚膿瘍、反復性肺炎から強く疑う。
検査
血液検査で『血清IgEの著明な上昇(通常2,000IU/mL以上)』と好酸球増多を確認。胸部X線・CTで肺嚢胞の有無を確認する。確定診断はSTAT3遺伝子などの変異解析。
治療方針
根治的治療法はない。黄色ブドウ球菌に対するST合剤(トリメトプリム・スルファメトキサゾール)などの予防的内服や、真菌に対する抗真菌薬の予防投与が感染対策の基本となる。湿疹に対しては適切なスキンケアとステロイド外用を行う。肺気瘤への二次感染や喀血に対しては外科的切除が必要となる場合がある。
病態
主にSTAT3遺伝子の変異(常染色体顕性遺伝)により、感染防御に重要なTh17細胞の分化が障害される。これにより好中球の遊走がうまくいかず、黄色ブドウ球菌などの細胞外細菌や真菌に対する防御能が著しく低下する。一方、Th2細胞優位となるためIgEが異常産生される。
試験・臨床での重要ポイント
乳児期からの『重度で難治性の湿疹(アトピーに似る)』と、黄色ブドウ球菌による『冷膿瘍(炎症の4徴である発赤・熱感・疼痛を伴わない、ブヨブヨした巨大な膿の塊)』を繰り返すのが最大の特徴。肺炎を繰り返した結果、肺に巨大な『肺嚢胞(気瘤:pneumatocele)』を形成する。血液検査での『血清IgEの異常高値(数千〜数万IU/mL)』が確定のキーワード。乳歯の晩期残存や特異顔貌も伴う。
覚え方・コツ
「高IgE症候群(Job)は、好中球がサボってバイキンと戦わない免疫不全!熱も痛みもないブヨブヨの膿(冷膿瘍)ができ、肺炎の跡にデカい穴(肺嚢胞)が残る。アレルギーの抗体(IgE)だけが数万レベルで異常に高いのが目印!」
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低フォスファターゼ症は、ALPL遺伝子の変異により組織非特異的アルカリフォスファターゼ(TNSALP)の活性が低下し、骨や歯の石灰化障害をきたす先天性代謝異常症である。血液検査での「ALP低値」と、乳歯の早期脱落が特徴的である。
麻疹は、麻疹ウイルスの空気感染によって発症する極めて感染力の強い全身性感染症である。カタル期、発疹期、回復期と経過し、CBTや国試では、カタル期のコプリク斑、二峰性発熱、空気感染(陰圧室隔離)、および数年後に発症する亜急性硬化性全脳炎(SSPE)への注意が超頻出である。
ニーマン・ピック病は、スフィンゴミエリン等の脂質が全身の網内系細胞に蓄積する常染色体潜性遺伝疾患である。CBTや国試では、著明な「肝脾腫」と「チェリーレッドスポット」の合併、および骨髄での「ニーマン・ピック細胞(泡沫細胞)」が超頻出である。
Tay-Sachs病は、リソソーム酵素であるヘキソサミニダーゼAの欠損により、脳の神経細胞にGM2ガングリオシドが蓄積する常染色体潜性遺伝疾患(スフィンゴリピドーシス)である。CBTや国試では、眼底の「チェリーレッドスポット」と「肝脾腫を伴わない」点がニーマン・ピック病との鑑別として超頻出である。