医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
メープルシロップ尿症は、分岐鎖アミノ酸(BCAA)の代謝酵素の先天的な欠損により、体内に有害な代謝産物が蓄積する常染色体潜性遺伝疾患である。CBTや国試では、尿の甘い匂いや、新生児マススクリーニングでの発見、およびBCAA制限ミルクによる治療が頻出である。
特異な体臭・尿臭(メープルシロップ様の甘い匂い)
新生児期(発症時)の哺乳力低下、嘔吐、傾眠
進行すると、筋緊張の亢進(後弓反張)、痙攣、昏睡、呼吸障害をきたす。
精神運動発達遅滞(治療が遅れた場合の後遺症)
初期評価
新生児期の哺乳不良や特異な尿臭、または新生児マススクリーニングの異常報告(ロイシン高値)から直ちに疑う。
検査
血液・尿のアミノ酸分析で『BCAA(ロイシン、イソロイシン、バリン)の著増』を確認する。有機酸分析で尿中の分岐鎖ケト酸の排泄を確認し、確定診断とする。
初期対応・根本治療
発症を防ぐため、確定次第直ちに通常の哺乳を中止し、特殊ミルクである『BCAA除去(制限)ミルク』を用いた食事療法を生涯にわたって継続する。発熱などの感染症罹患時にはタンパク異化が亢進して急性発作(メタボリッククライシス)を起こしやすいため、高カロリー輸液(糖質・脂質)で異化を抑制する。重症時には血液透析で毒素を除去する。
病態
分岐鎖α-ケト酸脱水素酵素複合体の異常により、分岐鎖アミノ酸(BCAA:ロイシン、イソロイシン、バリン)とそのケト酸が代謝できずに体内に蓄積し、重篤な中枢神経障害を引き起こす。
試験での重要ポイント
疾患名のとおり、蓄積した代謝産物により尿や汗が『メープルシロップ(焦がし砂糖)のような甘い匂い』になるのが最大の特徴。出生後、哺乳を開始して数日で哺乳不良、嘔吐、痙攣などの急性脳症症状をきたす。これを防ぐため、日本では生後数日で行う『新生児マススクリーニング』の対象疾患となっている。治療は『BCAA制限ミルク』の投与が絶対暗記キーワードである。
覚え方・コツ
「メープルシロップ尿症は、BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)が分解できない病気!オムツからホットケーキのシロップの匂いがしたらコレ。放置すると脳が破壊されるから、マススクリーニングで見つけて速攻でBCAA制限ミルクを飲ませろ!」
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TRAPSは、TNF(腫瘍壊死因子)受容体の遺伝子変異により、病原体の感染がないのに自然免疫が暴走して長期間の発熱を繰り返す「自己炎症性疾患」。1週間以上続く発熱、遊走性の筋肉痛、眼周囲の浮腫を特徴とする。
新生児低血糖は、生後早期の新生児において血糖値が異常に低下した状態。脳のエネルギー源が枯渇するため、放置すると不可逆的な中枢神経障害(発達遅滞や脳性麻痺)を残す。母体糖尿病やFGR、早産児がハイリスクとなる。
大動脈縮窄症(CoA)は、大動脈の一部(多くは動脈管索付近)が先天的に狭くなっている疾患である。狭窄部より上(腕・頭)は高血圧となり、下(下肢)は血流低下をきたす「上下肢の血圧差」が最大の特徴。Turner症候群に高率に合併する。
プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「父親由来」の発現異常(ゲノムインプリンティング異常)による疾患。乳児期の重度筋緊張低下から一転し、幼児期以降は満腹中枢の異常による過食と高度肥満を呈する。