最終更新日: 2026年4月17日
アスクレピアで深掘りする家族性地中海熱(FMF)は、MEFV遺伝子の変異により生じる自己炎症性疾患である。1〜3日程度で自然軽快する周期的な高熱と、無菌性の漿膜炎(腹痛、胸痛)を繰り返す。CBTや医師国家試験では、コルヒチンの著効や、致死的な合併症である二次性AAアミロイドーシスの予防が頻出の重要疾患である。
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周期性発熱(12〜72時間続く38℃以上の高熱が、不定期に反復する)
腹膜炎(激しい腹痛、筋性防御、反跳痛を伴うことがあり急性腹症に似る)
胸膜炎(深呼吸や体動で悪化する胸痛)
関節炎(膝や足関節などの大関節における単関節炎・非破壊性)
丹毒様紅斑(下腿から足背にかけての境界明瞭な発赤・腫脹)
初期評価
幼少期〜若年期から反復する原因不明の発熱と、腹痛や胸痛(漿膜炎)のエピソードから強く疑う。家族歴(血族結婚など)の有無も確認する。
検査
発作時の血液検査で著明な炎症反応(CRP高値、血清アミロイドA(SAA)高値、白血球増多)を確認する。発作間欠期にはこれらの数値は完全に正常化するのが特徴である。確定診断には「MEFV遺伝子検査」を行い、変異を証明する。AAアミロイドーシスの合併を評価するため、定期的な尿検査(尿蛋白)が必須である。
鑑別
鑑別でよく出るのは、同じく周期発熱をきたす「PFAPA症候群(小児に多く、アフタ性口内炎、咽頭炎、頸部リンパ節炎を伴う)」である。その他、発作時の激しい腹痛から急性腹症(急性虫垂炎や消化管穿孔)、成人Still病などと鑑別する。
初期対応
発作時の疼痛や発熱に対してはNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)を使用するが、発作そのものを止める効果は限定的である。
根本治療
発作の予防および二次性AAアミロイドーシスの発症抑制のために、「コルヒチン」を生涯にわたって毎日内服することが絶対的な第一選択である(発作時のみの内服ではない点に注意)。コルヒチンに抵抗性を示す重症例や不耐例に対しては、抗IL-1β抗体(カナキヌマブ)などの生物学的製剤を使用する。
病態
ピリン(pyrin)という蛋白をコードするMEFV遺伝子の異常により、インフラマソームが過剰に活性化し、IL-1βが大量に産生されて全身の強い炎症(自己炎症)を引き起こす。
原因
MEFV遺伝子の変異による常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)疾患である。地中海沿岸に多いが、日本にも一定数存在する。
分類
自然免疫系の異常による「自己炎症性疾患」の代表格である(※自己免疫疾患ではない)。
試験での重要ポイント
「小児〜若年期から、1〜3日で自然に下がる高熱と激しい腹痛(胸痛)を何度も繰り返している」という病歴があれば本疾患を強く疑う。発作時の腹痛は反跳痛を伴うこともあり急性腹症(虫垂炎など)と誤診されやすいため注意が必要である。治療薬として『コルヒチンが著効』することが超頻出。また、長期間の炎症によってアミロイド蛋白が腎臓などに沈着する『二次性AAアミロイドーシス(ネフローゼ症候群や腎不全をきたす)』が予後を決定するため、その予防としてのコルヒチン内服継続が絶対暗記項目である。
覚え方・コツ
「地中海熱は、1〜3日の熱と腹痛のループ。原因はMEFV(メフブ)遺伝子。治療とアミロイド予防には絶対コルヒチン!」
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アミロイドーシスは、異常な不溶性タンパク質(アミロイド線維)が全身の臓器に沈着し、機能障害を引き起こす疾患群である。CBTや医師国家試験では、多発性骨髄腫などに伴う「AL型」と、関節リウマチなどの慢性炎症に伴う「AA型」の鑑別、およびコンゴレッド染色や巨舌、ネフローゼ症候群の合併が超頻出の重要疾患である。
線維筋痛症は、全身の広範な慢性疼痛を主症状とし、不眠、疲労感、うつ状態などの多彩な精神・神経症状を伴う原因不明の疾患である。中年女性に好発する。血液検査や画像検査では明らかな炎症所見や器質的異常を認めないのが特徴である。CBTや医師国家試験では、リウマチ性多発筋痛症(PMR)などとの鑑別(CRPや赤沈が正常である点)や、プレガバリン、SNRIを用いた薬物療法が毎年問われる頻出疾患である。
成人Still病は、原因不明の著明な全身性炎症を来す自己炎症性疾患である。夕方にピークとなる弛張熱、サーモンピンク疹、関節痛、咽頭痛を特徴とする。CBTや医師国家試験では、著明な高フェリチン血症と、リウマチ因子・抗核抗体が陰性である点が極めて頻出の重要疾患である。
血清病は、異種蛋白や薬剤の投与後1〜2週間して発症するIII型アレルギー疾患である。抗原抗体複合体が全身の血管や組織に沈着し、発熱、皮疹、関節痛、リンパ節腫脹をきたす。CBTや医師国家試験では、III型アレルギーの代表例として、発症時期のタイムラグと低補体血症の所見が頻出の重要疾患である。