脊柱管狭窄症は、加齢に伴う骨や靱帯の変形により脊柱管が狭くなり、中の馬尾神経や神経根が慢性的に圧迫される疾患である。高齢者に多く、歩行により下肢痛・しびれが出現し、休むと改善する「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が特徴的である。
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間欠性跛行:数分〜数十分歩くと下肢のしびれや痛みが出現し、前かがみで休むと再び歩けるようになる。
下肢のしびれ、知覚鈍麻、脱力感(両側性が多いが片側のこともある)。
腰痛(ない場合もある)。
重症例では馬尾症候群(膀胱直腸障害、サドル状感覚障害)。
問診・身体所見:間欠性跛行の確認。腰部後屈テスト陽性(腰を反らすと下肢症状が誘発される)。※ASO除外のため、足背動脈の触知やABI測定を行う。
画像診断:『MRI(T2強調画像・矢状断および横断像)』にて、脊柱管の著明な狭窄、馬尾神経の圧迫を確認する。
保存的治療:血流・神経機能改善を目的とした『プロスタグランジンE1(PGE1)製剤(リマプロストなど)』の内服が特徴的。NSAIDs、神経ブロック注射、腰部固定帯(コルセット)の使用、リハビリテーション。
外科的治療(除圧術:椎弓切除術など、必要に応じて固定術):馬尾症候群(排尿障害)がある場合や、歩行障害が進行して日常生活に著しい支障をきたす場合に適応となる。
病態
加齢による椎間板の膨隆、黄色靱帯の肥厚、椎間関節の骨棘形成(変形性脊椎症)などが複合し、脊柱管や椎間孔が狭窄する。姿勢によって狭窄の度合いが変化する。
試験・臨床での重要ポイント
『間欠性跛行』の鑑別が全て。
腰部脊柱管狭窄症の神経性間欠性跛行は、『腰を反らす(後屈)』と脊柱管が狭くなって症状が悪化し、『腰をかがめる(前屈)』と脊柱管が広がって楽になるのが最大の特徴。(例:前かがみで自転車に乗ったり、シルバーカーを押したりすると痛くならない)。
一方、血管性間欠性跛行(閉塞性動脈硬化症:ASO)は、「姿勢に関係なく一定距離を歩くと筋肉が虚血になって痛む」ことと、「足背動脈の拍動低下」「ABI(足関節上腕血圧比)の低下」があることで鑑別する。
覚え方・コツ
「脊柱管狭窄症は『お年寄りの間欠性跛行(歩くと足がしびれて、休むと治る)』!ヘルニア(前屈で悪化)の逆で、腰を反らすと神経の通り道が潰れるから痛い。前かがみ(自転車、カート押し)だと通り道が広がって楽になる。血管が詰まる病気(ASO)も歩くと痛くなるけど、あっちは『姿勢は関係ない』し『足の脈が触れない』のが違い!」
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椎間板ヘルニアは、椎体間のクッションである椎間板の髄核が線維輪を突き破って脱出し、脊髄や神経根を圧迫する疾患である。若年〜壮年の男性に多く、腰痛とともに片側の激しい下肢放散痛(坐骨神経痛)やしびれをきたす。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、多彩な自己抗体(特に抗dsDNA抗体)が産生され、全身の皮膚、関節、腎臓、中枢神経などに炎症をきたす多臓器疾患である。20〜40代の女性に好発し、Ⅲ型アレルギーによる免疫複合体の沈着(ループス腎炎など)が病態の核心となる。
肩関節周囲炎は、加齢に伴い肩関節の関節包や腱板などの周囲組織に炎症が生じ、痛みと可動域制限(拘縮)をきたす疾患である。いわゆる「五十肩」であり、夜間痛や結髪・結帯動作の困難が特徴的である。
関節リウマチは、自己免疫的な機序により全身の関節滑膜に慢性的な炎症が生じ、関節の破壊・変形をきたす全身性炎症性疾患である。対称性の多発小関節炎と、1時間以上続く「朝のこわばり」が特徴。早期発見とメトトレキサートを中心とした強力な寛解導入療法が標準とされる。