最終更新日: 2026年4月19日
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閉塞性動脈硬化症(ASO)は、動脈硬化によって主に下肢の太い血管が狭窄・閉塞し、末梢に虚血を来す疾患である。中高年の男性で、糖尿病、高血圧、脂質異常症、喫煙歴などのリスクファクターを持つ人に好発する。CBTや医師国家試験では、進行度を表す「Fontaine(フォンテイン)分類」や、足関節上腕血圧比(ABI)の低下(0.9未満)が毎年問われる超頻出疾患である。
Fontaine I度:下肢の冷感、しびれ、蒼白
Fontaine II度:間欠性跛行(一定距離を歩くとふくらはぎなどが痛くなり、休むと軽快する)
Fontaine III度:安静時痛(夜間に痛みが強くなることが多い)
Fontaine IV度:潰瘍、壊死(わずかな傷から足趾の壊死が広がる)
初期評価
中高年の間欠性跛行のエピソードや、リスクファクター(喫煙、糖尿病など)の存在から疑う。下肢の触診で冷感と、足背動脈・後脛骨動脈の拍動減弱・消失を確認する。
検査
足関節上腕血圧比(ABI)を測定し、「0.9未満」であれば有意な狭窄と診断する。下肢エコー(ドプラ法)、造影CT(CTA)、MRAなどで狭窄・閉塞部位と範囲を特定する。※糖尿病患者や透析患者では、動脈の石灰化により血管が硬くなり、ABIが偽陽性(1.3以上など高値)になることがある点に注意(この場合はTBI:足趾上腕血圧比を用いる)。
鑑別
バージャー病(TAO:若年の重症喫煙者、膝窩動脈以下の細い動脈が閉塞、遊走性静脈炎)、腰部脊柱管狭窄症(歩行だけでなく「立位」でも痛み・しびれが出現し、前かがみ(前屈)で改善する点がASOと異なる)と鑑別する。
保存的治療(Fontaine I〜II度)
最大の基本は「禁煙」と「原疾患(糖尿病など)の厳格なコントロール」である。II度(間欠性跛行)に対しては、側副血行路の発達を促すための「監視下運動療法(歩行訓練)」が推奨される。薬物療法として、抗血小板薬(シロスタゾール、アスピリンなど)や末梢血管拡張薬(プロスタグランジン製剤)を投与する。
血行再建術(Fontaine III〜IV度、またはII度で生活支障度が大きい場合)
血管内治療(EVT):カテーテルを用いて狭窄部をバルーンで拡張したり、ステントを留置したりする(腸骨動脈や浅大腿動脈の短い病変に良い適応)。
バイパス手術:自己静脈(大伏在静脈)や人工血管を用いて、閉塞部を迂回するバイパスを作成する(長区域の閉塞や膝下動脈の病変に適応となることが多い)。
※IV度で血行再建が不可能かつ感染を伴う場合は、下肢の切断(大切断)を余儀なくされることもある。
病態
アテローム性動脈硬化により、腹部大動脈末端から下肢の動脈(腸骨動脈、大腿動脈など)にかけてプラークが形成され、内腔が狭窄・閉塞する。これにより下肢の骨格筋や皮膚への血流が不足し、様々な虚血症状を引き起こす。
原因
最大の危険因子は「喫煙」と「糖尿病」である。加齢、高血圧、脂質異常症、慢性腎臓病(CKD)なども関与する。
分類(Fontaine分類)
下肢の虚血症状の重症度により4段階に分類される。I度:冷感・しびれ、II度:間欠性跛行(かんけつせいはこう)、III度:安静時痛、IV度:潰瘍・壊死。
試験での重要ポイント
歩行により下肢の痛みが出現し、休むと改善する「間欠性跛行(Fontaine II度)」のキーワードがあれば本疾患を強く疑う。検査では「ABI(Ankle-Brachial Index)0.9未満」が最も重要。触診で「足背動脈や後脛骨動脈の拍動低下・消失」を確認する。腹部大動脈の分岐部(腸骨動脈)が閉塞し、間欠性跛行に加えて「勃起障害(ED)」を伴う病態を「Leriche(ルリッシュ)症候群」と呼び、これも頻出である。鑑別疾患として、若年の喫煙男性に多い「バージャー病(TAO)」や、整形外科疾患である「腰部脊柱管狭窄症」がよく問われる。
覚え方・コツ
「ASOは中高年のタバコと糖尿病。歩くと痛い(間欠性跛行)。腕より足の血圧が低い(ABI<0.9)。フォンテイン(Fontaine)の泉で、冷たい(I)→歩けない(II)→休んでも痛い(III)→足が腐る(IV)」と覚える。
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洞不全症候群(SSS)は、心臓のペースメーカーである洞結節の機能が低下し、徐脈や心停止、あるいは頻脈を合併する不整脈疾患である。脳血流の低下による失神(アダムス・ストークス発作)やめまいを引き起こす。CBTや医師国家試験では、Rubenstein(ルーベンスタイン)分類と、有症状時の「ペースメーカー植え込み」の適応、特に徐脈頻脈症候群(III型)に対する治療戦略が頻出である。
動脈管開存症(PDA)は、胎生期に大動脈と肺動脈を繋いでいた動脈管(ボタロー管)が、出生後も閉鎖せずに残る先天性心疾患である。大動脈から肺動脈への左右シャントが生じ、肺血流量増加による心不全や肺高血圧の原因となる。CBTや医師国家試験では、特徴的な「連続性雑音」や「インドメタシンによる治療」が毎年問われる超頻出疾患である。
大動脈弁閉鎖不全症(AR)は、拡張期に大動脈弁の閉鎖が不完全となり、大動脈から左心室へ血液が逆流する疾患である。左室の著明な容量負荷により左室拡大(遠心性肥大)を来す。脈圧の増大による特有の身体所見(大脈・速脈など)や、拡張期雑音、Austin-Flint雑音が特徴である。CBTや医師国家試験では、ASとの身体所見の対比や、血管拡張薬が有効である病態生理が毎年問われる超頻出疾患である。
大動脈弁狭窄症(AS)は、大動脈弁が硬化して開きにくくなり、左心室から大動脈への血流が妨げられる疾患である。加齢による石灰化が最多。進行すると左室の圧負荷から求心性肥大を来し、突然死のリスクが高まる。CBTや国試では、3大症状(狭心痛、失神、心不全)、遅脈・小脈、収縮期駆出性雑音(頸部放散)、エコーによる重症度評価が毎年問われる超頻出疾患である。