椎間板ヘルニアは、椎体間のクッションである椎間板の髄核が線維輪を突き破って脱出し、脊髄や神経根を圧迫する疾患である。若年〜壮年の男性に多く、腰痛とともに片側の激しい下肢放散痛(坐骨神経痛)やしびれをきたす。
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腰痛(前屈姿勢で悪化しやすい)。
下肢の放散痛、しびれ(片側性の坐骨神経痛が多い)。
筋力低下、知覚障害。
重症例(中心型巨大ヘルニア):膀胱直腸障害、サドル状感覚障害(馬尾症候群)。
身体所見:
下肢伸展挙上(SLR)テスト陽性(仰向けで足を真っ直ぐ上げると痛む:L5, S1領域の圧迫)。
大腿神経伸展(FNS)テスト陽性(うつ伏せで膝を曲げて持ち上げると太もも前が痛む:L2〜L4領域の圧迫)。
画像診断:『MRI(T2強調画像)』が必須。髄核の後方への突出と、硬膜嚢・神経根の圧迫を確認する。
保存的治療(第一選択):約8割はマクロファージによる貪食などで数ヶ月以内に自然吸収・縮小するため、まずは安静、NSAIDs、コルセット、神経ブロック注射などで痛みをコントロールする。
外科的治療(椎間板摘出術:LOVE法、内視鏡下手術など):
絶対適応:馬尾症候群(膀胱直腸障害)、進行性の重度運動麻痺。
相対適応:保存的治療で改善しない耐え難い痛み、早期の社会復帰希望。
病態
加齢による変性や、前かがみ・重いものを持ち上げるなどの力学的負荷により、椎間板内部のゼリー状の組織(髄核)が後方へ脱出する。腰椎(L4/L5、L5/S1間)と頸椎(C5/C6、C6/C7間)に好発する。
試験・臨床での重要ポイント
『神経根症状の部位診断』が国試で超頻出。
①『L4/L5ヘルニア(L5神経根圧迫)』:『足の親指が反らせない(母趾背屈低下)』、『下腿外側〜足背の感覚鈍麻』。
②『L5/S1ヘルニア(S1神経根圧迫)』:『つま先立ちができない(足関節底屈低下)』、『アキレス腱反射低下・消失』、『足底〜足外縁の感覚鈍麻』。
『馬尾症候群(尿閉・尿失禁などの膀胱直腸障害、肛門周囲のサドル状感覚障害)』を認めた場合は、不可逆的な神経障害を防ぐため「原則48時間以内の緊急手術適応(Red Flag)」となる。
覚え方・コツ
「腰のヘルニアは『若い働き盛りの坐骨神経痛(足のビリビリ)』!前かがみになると痛い。テストでは『どこがやられたか』が絶対出る!【L5】は親指が『反れない(Go!できない)』、【S1】はアキレス腱反射が消えて『つま先立ちができない(シークレットブーツ履けない)』と覚える!オシッコが出なくなったら(馬尾症候群)、即刻メスを入れて神経を助け出せ!」
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脊柱管狭窄症は、加齢に伴う骨や靱帯の変形により脊柱管が狭くなり、中の馬尾神経や神経根が慢性的に圧迫される疾患である。高齢者に多く、歩行により下肢痛・しびれが出現し、休むと改善する「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が特徴的である。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、多彩な自己抗体(特に抗dsDNA抗体)が産生され、全身の皮膚、関節、腎臓、中枢神経などに炎症をきたす多臓器疾患である。20〜40代の女性に好発し、Ⅲ型アレルギーによる免疫複合体の沈着(ループス腎炎など)が病態の核心となる。
肩関節周囲炎は、加齢に伴い肩関節の関節包や腱板などの周囲組織に炎症が生じ、痛みと可動域制限(拘縮)をきたす疾患である。いわゆる「五十肩」であり、夜間痛や結髪・結帯動作の困難が特徴的である。
関節リウマチは、自己免疫的な機序により全身の関節滑膜に慢性的な炎症が生じ、関節の破壊・変形をきたす全身性炎症性疾患である。対称性の多発小関節炎と、1時間以上続く「朝のこわばり」が特徴。早期発見とメトトレキサートを中心とした強力な寛解導入療法が標準とされる。