肩関節周囲炎は、加齢に伴い肩関節の関節包や腱板などの周囲組織に炎症が生じ、痛みと可動域制限(拘縮)をきたす疾患である。いわゆる「五十肩」であり、夜間痛や結髪・結帯動作の困難が特徴的である。
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運動時痛:腕を挙げる、後ろに回す動作(結帯・結髪動作)で痛む。
夜間痛:痛い方の肩を下にして寝ると痛む、夜間に痛みが強くなり目が覚める。
関節可動域制限(拘縮):他動的にも自動的にも肩が挙がらない。
初期評価:X線検査で明らかな異常(骨の変形、石灰沈着など)がないことを確認する(除外診断)。
身体所見:圧痛点の確認、自動・他動可動域の制限の確認。
急性期:痛みのコントロールが最優先。NSAIDs(消炎鎮痛薬)の内服・外用、関節内ステロイド注射(ヒアルロン酸併用)、安静(三角巾などでの保護)。無理なリハビリは炎症を悪化させるため禁忌。
慢性期(拘縮期)以降:温熱療法や、痛みのない範囲での可動域訓練(コッドマン体操:振り子運動など)などのリハビリテーションを積極的に行う。
難治例:全身麻酔下での徒手的関節受動術(サイモン手術)や関節鏡下関節包切離術を行う。
病態
明らかな原因(外傷や腱板断裂など)がない特発性の肩関節痛と運動障害を指す。関節包の炎症と線維化(癒着性関節包炎)が進行し、肩が凍りついたように動かなくなる(Frozen shoulder)。
試験・臨床での重要ポイント
「中高年」の「明らかな誘因のない肩の痛み」が定番。腱板断裂や石灰沈着性腱板炎などの器質的疾患を除外することが重要。
症状の経過として、『急性期(痛みが強く安静時・夜間痛が目立つ)』→『慢性期・拘縮期(痛みは和らぐが関節が硬く動かない)』→『回復期(可動域が徐々に改善)』というプロセスをたどることが指導上極めて重要である。
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脊柱管狭窄症は、加齢に伴う骨や靱帯の変形により脊柱管が狭くなり、中の馬尾神経や神経根が慢性的に圧迫される疾患である。高齢者に多く、歩行により下肢痛・しびれが出現し、休むと改善する「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が特徴的である。
椎間板ヘルニアは、椎体間のクッションである椎間板の髄核が線維輪を突き破って脱出し、脊髄や神経根を圧迫する疾患である。若年〜壮年の男性に多く、腰痛とともに片側の激しい下肢放散痛(坐骨神経痛)やしびれをきたす。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、多彩な自己抗体(特に抗dsDNA抗体)が産生され、全身の皮膚、関節、腎臓、中枢神経などに炎症をきたす多臓器疾患である。20〜40代の女性に好発し、Ⅲ型アレルギーによる免疫複合体の沈着(ループス腎炎など)が病態の核心となる。
関節リウマチは、自己免疫的な機序により全身の関節滑膜に慢性的な炎症が生じ、関節の破壊・変形をきたす全身性炎症性疾患である。対称性の多発小関節炎と、1時間以上続く「朝のこわばり」が特徴。早期発見とメトトレキサートを中心とした強力な寛解導入療法が標準とされる。