関節リウマチは、自己免疫的な機序により全身の関節滑膜に慢性的な炎症が生じ、関節の破壊・変形をきたす全身性炎症性疾患である。対称性の多発小関節炎と、1時間以上続く「朝のこわばり」が特徴。早期発見とメトトレキサートを中心とした強力な寛解導入療法が標準とされる。
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関節症状:多発性・対称性の関節痛、腫脹(紡錘状腫脹)。朝のこわばり(1時間以上)。
変形(進行期):ボタン穴変形、スワンネック変形、尺側偏位、外反母趾、ムチランス変形(オペラグラス手)。
関節外症状:皮下結節(リウマトイド結節)、間質性肺炎、強膜炎、血管炎(悪性関節リウマチ)。
身体所見:関節の圧痛・腫脹、可動域制限。スクイーズテスト陽性。
血液検査:『抗CCP抗体(特異度が高い)』、『リウマトイド因子(RF)』。炎症反応(CRP・血沈)の上昇。MMP-3(滑膜増殖の指標)。
画像診断:単純X線での『骨びらん(骨侵食)』、関節裂隙の狭小化。超音波(エコー)やMRIでの『滑膜炎(血流シグナル上昇)』の検出(早期診断に有用)。
2010年ACR/EULAR分類基準:腫脹関節数、血清学、炎症反応、持続期間に基づき評価する。
基本方針:T2T (Treat to Target) を掲げ、臨床的寛解(DAS28等で評価)を目標にする。
薬物療法:
抗リウマチ薬 (DMARDs):『メトトレキサート(MTX)』を第一選択とする。
生物学的製剤 (bDMARDs):TNF阻害薬、IL-6阻害薬(トシリズマブ)、T細胞選択的共刺激調節薬(アバタセプト)。
JAK阻害薬 (tsDMARDs):経口可能な強力な薬剤。
対症療法:NSAIDs(痛み止め)、低用量ステロイド(寛解導入までの橋渡し)。
外科的治療:人工関節置換術、滑膜切除術、環軸椎固定術。
病態
遺伝的素因と環境要因(喫煙、歯周病など)を背景に、免疫寛容が破綻し、滑膜細胞が腫瘍状に増殖(パンヌス形成)。サイトカイン(TNF-α、IL-6)が過剰放出され、破骨細胞を活性化させることで、不可逆的な骨侵食・軟骨破壊が進行する。
試験・臨床での重要ポイント
『対称性』『多発性』『小関節(手指・足趾)』の炎症が鉄則。DIP関節(第一関節)は侵されにくい(ヘバーデン結節:変形性関節症との鑑別)。
環軸椎亜脱臼(C1/C2)の合併は、気管挿管時の頸部後屈により脊髄損傷を起こすリスクがあるため、術前評価の必須事項。検査では特異度の高い『抗CCP抗体(抗環状シトルリン化ペプチド抗体)』が診断の要。
覚え方・コツ
「リウマチは『滑膜を敵とみなす自分同士の戦争』!朝起きて1時間、手が腫れて動かないのがサイン。関節を壊す『パンヌス』が暴れ出す前に、アンカードラッグの『メトトレキサート(MTX)』で叩く!MTXを使う時は、副作用(口内炎・肝障害・骨髄抑制)予防に『葉酸(フォリアミン)』をセットで処方するのを忘れずに!」
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脊柱管狭窄症は、加齢に伴う骨や靱帯の変形により脊柱管が狭くなり、中の馬尾神経や神経根が慢性的に圧迫される疾患である。高齢者に多く、歩行により下肢痛・しびれが出現し、休むと改善する「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が特徴的である。
椎間板ヘルニアは、椎体間のクッションである椎間板の髄核が線維輪を突き破って脱出し、脊髄や神経根を圧迫する疾患である。若年〜壮年の男性に多く、腰痛とともに片側の激しい下肢放散痛(坐骨神経痛)やしびれをきたす。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、多彩な自己抗体(特に抗dsDNA抗体)が産生され、全身の皮膚、関節、腎臓、中枢神経などに炎症をきたす多臓器疾患である。20〜40代の女性に好発し、Ⅲ型アレルギーによる免疫複合体の沈着(ループス腎炎など)が病態の核心となる。
肩関節周囲炎は、加齢に伴い肩関節の関節包や腱板などの周囲組織に炎症が生じ、痛みと可動域制限(拘縮)をきたす疾患である。いわゆる「五十肩」であり、夜間痛や結髪・結帯動作の困難が特徴的である。