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ラズムッセン脳炎は、主に小児期に発症し、一側の大脳半球に進行性の炎症・萎縮をきたす原因不明の疾患である。難治性の部分てんかん(特に持続性部分てんかん:EPC)と、対側の進行性片麻痺、認知機能障害を特徴とし、最終手段として大脳半球離断術が行われる。
持続性部分てんかん(EPC:意識は保たれたまま、身体の一部がリズミカルに痙攣し続ける)
その他の難治性焦点てんかん発作
進行性の片麻痺(病変の反対側)
認知機能障害、言語障害(優位半球が罹患した場合)
検査
頭部MRIで、一側大脳半球の皮質・白質の進行性萎縮、側脳室の拡大、T2/FLAIRでの高信号病変を認める(対側半球は正常)。脳波では罹患半球に限局した徐波やてんかん性異常波。髄液検査で軽度の細胞増多や蛋白上昇を認めることがある。
治療方針
急性期〜進行期には、ステロイド大量療法、免疫グロブリン大量静注(IVIG)、タクロリムスなどの免疫調節療法を行い、進行の抑制を試みる。抗てんかん薬も併用するが、EPCにはほとんど無効である。
進行例で片麻痺がすでに完成している場合、またはてんかん発作により発達が著しく阻害されている場合は、健側へのてんかん波の波及を防ぐため『機能的半球離断術』などのてんかん外科手術が適応となる。
病態
一側大脳半球に限局した、T細胞介在性の自己免疫学的・ウイルス感染後性と考えられる慢性脳炎。グルタミン酸受容体(GluR3)に対する自己抗体が陽性となることもあるが、本態は細胞傷害性T細胞による神経細胞死とアストロサイトの増生である。
試験・臨床での重要ポイント
『一側大脳半球の萎縮』と『持続性部分てんかん(EPC:Epilepsia partialis continua。顔や手などがピクピクと持続的に痙攣し続ける)』が最大のキーワード。進行すると患側の大脳半球が機能不全に陥り、対側の片麻痺(Todd麻痺の遷延など)や知的退行が生じる。内科的治療に抵抗するため、発作を止めて健側半球を守るために『機能的半球離断術』というダイナミックな外科手術が行われることが頻出。
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脳動静脈奇形(AVM)は、脳の動脈と静脈が正常な毛細血管網を介さずに、ナイダス(nidus)と呼ばれる異常な血管の塊を介して直接つながっている先天性の血管奇形である。若年者の脳出血や、てんかん発作の重要な原因となる。
アミロイドアンギオパチー(CAA)は、大脳皮質および軟膜の小〜中血管壁にβアミロイドタンパクが沈着し、血管が脆弱になる疾患である。高齢者の「皮質下出血(脳葉出血)」の主要な原因であり、アルツハイマー型認知症に高率に合併する。
もやもや病は、内頸動脈の終末部が進行性に狭窄・閉塞し、それを代償するために脳底辺部に細い異常血管網(もやもや血管)が形成される原因不明の疾患である。小児期には過呼吸を契機とする脳虚血発作、成人期にはもやもや血管の破綻による脳出血で発症する。
脳出血は、脳実質内の細い血管が破綻して出血する疾患。高血圧を原因とする高血圧性脳出血が大部分を占め、被殻、視床、小脳、橋などで生じる。出血部位に応じた局所神経症状(片麻痺や眼球運動障害)が急激に出現する。