医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
流行性耳下腺炎は、ムンプスウイルスの飛沫感染により、耳下腺などの唾液腺の非化膿性腫脹をきたす感染症である。CBTや国試では、酸味のある食物での疼痛増悪や、合併症としての無菌性髄膜炎、一側性のムンプス難聴、および思春期以降の感染における精巣炎・卵巣炎が頻出の重要疾患である。
耳下腺、顎下腺の腫脹、圧痛(最初は片側、数日後にもう片側も腫れることが多い)
嚥下痛、咀嚼痛(特に酸味のある食物で増悪)
発熱
※不顕性感染(感染しても症状が出ない)が約30%ある。
【合併症の症状】激しい頭痛・嘔吐(髄膜炎)、片耳の聞こえにくさ(難聴)、陰嚢の腫痛(精巣炎)、激しい腹痛(膵炎)。
初期評価
耳下腺の腫脹(耳垂を中心に広がる腫れ)と圧痛から臨床的に診断する。髄膜炎サイン(項部硬直)や聴力低下がないかを必ずチェックする。
検査
血液検査で「血清アミラーゼの上昇(唾液腺由来のS型)」を確認する。確定診断はムンプスIgM抗体の検出。髄膜炎を合併した場合は髄液検査で単核球優位の細胞数増多(無菌性髄膜炎)を認める。
鑑別
反復性耳下腺炎(片側性で何度も繰り返す、アレルギーや疲労関与)、化膿性耳下腺炎(細菌感染、皮膚の発赤や膿の排出を伴う)、唾石症。
初期対応・感染対策
『飛沫感染』するため、耳下腺、顎下腺または舌下腺の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまで登校・登園停止とする。
根本治療
特異的な抗ウイルス薬はなく、発熱や疼痛に対するアセトアミノフェンなどの「対症療法」を行う。髄膜炎を合併した場合は入院の上、補液や安静管理を行う。ムンプス難聴は治療困難であるため、任意接種である「ムンプス生ワクチン」による予防が強く推奨される。
病態
ウイルスが気道から侵入し、唾液腺(特に耳下腺、顎下腺)で増殖して炎症と浮腫を引き起こす。全身の臓器(髄膜、精巣、内耳など)にも感染し合併症をきたす。
原因と感染経路
ムンプスウイルス(パラミクソウイルス科)による『飛沫感染・接触感染』。
試験での重要ポイント
「両側または片側の耳下腺の腫れと痛み」が主症状。「酸っぱいものを食べると痛みが強くなる(唾液分泌刺激による)」というエピソードが定番。アミラーゼが上昇する(膵炎だけでなく唾液腺由来でも上がるため)。
国試で最も問われるのは『合併症』である。頻度が高いのが『無菌性髄膜炎(頭痛、嘔吐、項部硬直)』。予後が悪いのが、治らない一側性の感音難聴である『ムンプス難聴』。そして思春期以降の男性が感染すると激痛を伴う『精巣炎』を起こし、不妊の原因になり得る点も超頻出である。
覚え方・コツ
「おたふくかぜは、ムンプスウイルスで耳の下が腫れる。酸っぱいもので痛む(梅干しNG)。合併症の3拍子『頭(無菌性髄膜炎)、耳(片耳が聞こえなくなるムンプス難聴)、タマタマ(思春期以降の精巣炎)』を絶対暗記!」
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TRAPSは、TNF(腫瘍壊死因子)受容体の遺伝子変異により、病原体の感染がないのに自然免疫が暴走して長期間の発熱を繰り返す「自己炎症性疾患」。1週間以上続く発熱、遊走性の筋肉痛、眼周囲の浮腫を特徴とする。
新生児低血糖は、生後早期の新生児において血糖値が異常に低下した状態。脳のエネルギー源が枯渇するため、放置すると不可逆的な中枢神経障害(発達遅滞や脳性麻痺)を残す。母体糖尿病やFGR、早産児がハイリスクとなる。
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プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「父親由来」の発現異常(ゲノムインプリンティング異常)による疾患。乳児期の重度筋緊張低下から一転し、幼児期以降は満腹中枢の異常による過食と高度肥満を呈する。