脳出血は、脳実質内の細い血管が破綻して出血する疾患。高血圧を原因とする高血圧性脳出血が大部分を占め、被殻、視床、小脳、橋などで生じる。出血部位に応じた局所神経症状(片麻痺や眼球運動障害)が急激に出現する。
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発症時に頭痛、嘔吐を伴うことが多い(活動時に発症しやすい)。
意識障害(血腫が大きい場合)。
出血部位に特有の局所神経症状(片麻痺、感覚障害、失語、運動失調、眼球運動異常)。
頭部CT(第一選択):発症直後から脳実質内に明瞭な『高吸収領域(白い影)』を認める。周囲には浮腫(低吸収)を伴う。
MRI:超急性期の診断にはCTが優先されるが、微小出血や血管奇形の評価に有用。
血液検査、血圧測定:高血圧の確認、凝固能異常のチェック。
内科的治療(急性期):『厳格な血圧管理(降圧薬静注による収縮期血圧140未満の維持)』が再出血・血腫拡大防止の最重要事項。脳浮腫に対しては高浸透圧利尿薬(グリセロールなど)を投与する。
外科的治療:血腫が大きく(被殻≧31mL、小脳≧14mL等)、神経症状が重篤な場合は『開頭血腫除去術』や『内視鏡下血腫除去術』の適応となる。
※視床出血や橋出血は、深部で手術到達が困難なため原則として保存的治療となる。小脳出血は脳幹圧迫による突然死のリスクがあるため、積極的な手術適応となる。
病態
長年の高血圧により形成された穿通枝(微小動脈瘤:微小動脈硬化)が破裂して生じる(高血圧性脳出血)。血管異常(もやもや病や脳動静脈奇形:若年者)やアミロイドアンギオパチー(高齢者の皮質下出血)が原因となることもある。
試験・臨床での重要ポイント
出血部位による症状の鑑別が超頻出。
①『被殻出血(最多)』:内包が障害され『対側の片麻痺・感覚障害』。眼球は『病巣側を睨む(共同偏視)』。
②『視床出血』:『対側の感覚障害(視床痛)』が著明。眼球は『鼻先を睨む(内下方偏視)』。
③『橋出血』:意識障害、『四肢麻痺』。眼球は『著明な縮瞳(ピンホール瞳孔)』。
④『小脳出血』:『めまい、嘔吐、運動失調』が主で、片麻痺は生じない。
覚え方・コツ
「脳出血は『高血圧で脳の細い血管が破れる』病気。テストに出るのは『どこから血が出たか』の目つき探し!被殻出血は『病気(病巣)を見る』、視床出血は『鼻先(下)を見る』、橋出血は『瞳が点(ピンホール)になる』!小脳出血は手足は動くけど『フラフラで立てない』。まずはCTで白い塊(血腫)を見つけろ!」
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脳動静脈奇形(AVM)は、脳の動脈と静脈が正常な毛細血管網を介さずに、ナイダス(nidus)と呼ばれる異常な血管の塊を介して直接つながっている先天性の血管奇形である。若年者の脳出血や、てんかん発作の重要な原因となる。
アミロイドアンギオパチー(CAA)は、大脳皮質および軟膜の小〜中血管壁にβアミロイドタンパクが沈着し、血管が脆弱になる疾患である。高齢者の「皮質下出血(脳葉出血)」の主要な原因であり、アルツハイマー型認知症に高率に合併する。
もやもや病は、内頸動脈の終末部が進行性に狭窄・閉塞し、それを代償するために脳底辺部に細い異常血管網(もやもや血管)が形成される原因不明の疾患である。小児期には過呼吸を契機とする脳虚血発作、成人期にはもやもや血管の破綻による脳出血で発症する。
緊張型頭痛は、精神的・身体的ストレスに伴う頭蓋周辺の筋肉の過緊張により生じる、最も頻度の高い一次性頭痛である。両側性の締め付けられるような痛みが特徴で、悪心や嘔吐は伴わない。