くも膜下出血は、脳動脈瘤の破裂などにより、くも膜下腔に血液が急激に流入する致死的な疾患。「これまで経験したことのない突然の激しい頭痛」で発症し、髄膜刺激症状を伴うが、通常は片麻痺などの局所症状を伴わない。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
突然発症の激しい頭痛(人生最悪の頭痛)、悪心・嘔吐。
意識障害(一過性〜昏睡まで様々)。
髄膜刺激症状:項部硬直、ケルニッヒ徴候、ブルジンスキー徴候。
※IC-PC動脈瘤破裂では『動眼神経麻痺(患側の眼瞼下垂、散瞳)』を合併することが多い。
頭部CT(第一選択):脳底槽、シルビウス裂、大脳縦裂に『高吸収領域(ヒトデ型、ペンタゴン)』を認める。
腰椎穿刺:CTで診断がつかない微小出血の場合に実施。『血性髄液』および遠心分離後の上清が黄色い『キサントクロミー』を確認。
血管造影(3D-CTA、MRA、脳血管造影):動脈瘤の位置、形状、大きさを評価する。
急性期(再出血予防):血圧の厳重なコントロールを行いつつ、可及的速やかに『脳動脈瘤クリッピング術(開頭手術)』または『脳動脈瘤コイル塞栓術(血管内治療)』を行い、瘤の根元を塞ぐ。
血管攣縮の予防:ファスジル塩酸塩、オザグレルナトリウムの静注。
正常圧水頭症に対して:V-Pシャント(脳室腹腔シャント)などを行う。
病態
原因の約80%が脳動脈瘤の破裂である。動脈瘤の好発部位は、①内頸動脈-後交通動脈分岐部(IC-PC)、②前交通動脈(Acom)、③中大脳動脈(MCA)である。破裂により脳脊髄液中に血液が混入し、頭蓋内圧が急激に亢進する。
試験・臨床での重要ポイント
「バットで殴られたような突発的な激しい頭痛」が最大のキーワード。脳出血や脳梗塞と異なり、脳実質が破壊されるわけではないため『運動麻痺(片麻痺)は通常伴わない』ことが超重要。
予後を左右する『三大合併症とその時期』が国試で頻出:
①『再出血』(発症後24時間以内が最多):最も致死的。これを防ぐために血圧を下げ、早期手術を行う。
②『脳血管攣縮』(発症後4〜14日:遅発性脳虚血):周囲の血液の刺激で血管が縮み、脳梗塞を起こす。
③『正常圧水頭症』(発症後数週〜数ヶ月):髄液の吸収障害による。歩行障害、認知症、尿失禁の三徴。
覚え方・コツ
「SAHは『脳の表面(くも膜下腔)の血の海』!動脈瘤が破裂して、バットで殴られたような突然の頭痛。手足は動く(片麻痺なし)けど、首がガチガチになる(項部硬直)。CTで見える『白いヒトデ(ペンタゴン)』がサイン。三大合併症(①再出血、②血管攣縮、③水頭症)のスケジュール管理が命!」
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
脳動静脈奇形(AVM)は、脳の動脈と静脈が正常な毛細血管網を介さずに、ナイダス(nidus)と呼ばれる異常な血管の塊を介して直接つながっている先天性の血管奇形である。若年者の脳出血や、てんかん発作の重要な原因となる。
アミロイドアンギオパチー(CAA)は、大脳皮質および軟膜の小〜中血管壁にβアミロイドタンパクが沈着し、血管が脆弱になる疾患である。高齢者の「皮質下出血(脳葉出血)」の主要な原因であり、アルツハイマー型認知症に高率に合併する。
もやもや病は、内頸動脈の終末部が進行性に狭窄・閉塞し、それを代償するために脳底辺部に細い異常血管網(もやもや血管)が形成される原因不明の疾患である。小児期には過呼吸を契機とする脳虚血発作、成人期にはもやもや血管の破綻による脳出血で発症する。
脳出血は、脳実質内の細い血管が破綻して出血する疾患。高血圧を原因とする高血圧性脳出血が大部分を占め、被殻、視床、小脳、橋などで生じる。出血部位に応じた局所神経症状(片麻痺や眼球運動障害)が急激に出現する。