最終更新日: 2026年4月17日
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視神経脊髄炎(NMO)は、中枢神経系(特に視神経と脊髄)のアストロサイトに存在する水チャネル「アクアポリン4(AQP4)」に対する自己抗体が原因で生じる自己免疫疾患である。多発性硬化症(MS)と似るが、視力障害や対麻痺がより重篤であり、再発を繰り返す。CBTや国試では、MSとの鑑別(3椎体以上の脊髄病変、難治性しゃっくり、抗AQP4抗体陽性)と、治療薬の禁忌が超頻出である。
視神経炎症状:急激な視力低下、視野欠損、眼球運動痛(MSより重症で両側性のことが多い)。
横断性脊髄炎症状:対麻痺(両下肢の麻痺)、重度の感覚障害、膀胱直腸障害(失禁や尿閉)。
最後野症候群:原因不明の難治性吃逆(しゃっくり)、悪心、嘔吐。
※MSでみられるような「有痛性強直性痙攣」や「Lhermitte徴候」がみられることもある。
初期評価
急激な視力障害や歩行障害、あるいは難治性のしゃっくりから本疾患を疑う。
検査
血液検査で「抗水チャネル抗体(抗AQP4抗体)」が陽性であることを確認する(感度・特異度ともに非常に高い)。
脊髄MRI(T2強調像)で「3椎体以上に連続する縦に長い高信号病変(LETM)」を確認する。頭部MRIでは初期には異常を認めないことが多いが、視神経の腫脹や延髄最後野の病変を認めることがある。髄液検査では細胞増多(好中球を含む)や蛋白上昇を認める(※MSで陽性となるオリゴクローナルバンドは、NMOでは陰性のことが多い)。
鑑別
多発性硬化症(MS:短い脊髄病変、脳室周囲の卵円形病変、オリゴクローナルバンド陽性)、急性散在性脳脊髄炎(ADEM:感染後、単相性)、脊髄梗塞と鑑別する。
急性期治療(炎症の鎮静化)
速やかに「ステロイドパルス療法(メチルプレドニゾロン大量点滴)」を行う。効果が不十分な場合や重症例では、抗体を血中から物理的に除去する「血液浄化療法(血漿交換)」を実施する。
再発予防期(維持療法)
一度破壊された神経は回復しにくいため、再発予防が極めて重要。経口ステロイド(プレドニゾロン)の維持量に加えて、免疫抑制薬(アザチオプリンなど)を併用する。近年は、補体阻害薬(エクリズマブ)、IL-6受容体阻害薬(サトラリズマブ)、B細胞除去薬(イネビリズマブ)などの分子標的薬が高い再発予防効果を示している。
※絶対注意:多発性硬化症の疾患修飾薬(インターフェロンβ、フィンゴリモド、ナタリズマブなど)はNMOSDを増悪させるため原則禁忌である。
病態
血液脳関門(BBB)を形成するアストロサイトの足突起に高密度に存在する「AQP4(水チャネル)」に対して、抗AQP4抗体が結合し、補体が活性化されることでアストロサイトが破壊され(アストロサイトパチー)、二次的に脱髄や神経軸索の障害を引き起こす。
試験での重要ポイント
多発性硬化症(MS)との鑑別がすべてである。MSは「空間的・時間的多発」と「比較的軽度な症状」が特徴だが、NMOは「両側性の重篤な視力障害(失明に至ることも)」「重度な対麻痺や排尿障害」を急激に発症する。延髄の最後野(嘔吐中枢)に病変ができやすく、「難治性の吃逆(しゃっくり)や悪心・嘔吐」を呈するのが極めて特徴的。MRIでは「3椎体以上に及ぶ縦に長い脊髄病変(LETM)」を確認する。また、MSの再発予防に用いるインターフェロンβやフィンゴリモドは、NMOに投与すると逆に症状を激しく悪化させるため「禁忌」である点が超重要引っかけポイントである。
覚え方・コツ
「NMOはアクア(AQP4)のせいで目と背骨がズタズタ。脊髄病変は3椎体以上で長い!最後はしゃっくり(延髄最後野病変)。MSの薬(インターフェロンβ)は火に油(禁忌)だから絶対ダメ!」と覚える。
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CIDPは、自己免疫学的機序により、末梢神経のミエリン鞘(髄鞘)が慢性的に破壊(脱髄)される疾患。ギラン・バレー症候群(GBS)と類似の病態だが、2ヶ月以上かけて進行、または再発と寛解を繰り返す点で異なる。ステロイドが第一選択となる。
神経線維腫症1型(von Recklinghausen病:レックリングハウゼン病)は、第17染色体にあるがん抑制遺伝子(NF1遺伝子)の変異によって生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。カフェ・オ・レ斑と多発する神経線維腫を特徴とし、全身の多彩な合併症を伴う。
三叉神経痛は、顔面の感覚を司る三叉神経(第V脳神経)が、脳幹からの出口付近で血管(主に上小脳動脈)に圧迫されることで、顔面に突発的で激しい「電撃痛」を繰り返す疾患。抗てんかん薬であるカルバマゼピンが特効薬となる。
ビタミンB1(チアミン)の欠乏により、糖代謝が障害されてATPが産生できなくなり、末梢神経障害や心不全、中枢神経障害をきたす疾患。心不全を伴う「湿性脚気」、末梢神経障害主体の「乾性脚気」、そしてアルコール依存症等に合併する中枢神経障害「Wernicke(ウェルニッケ)脳症」が有名。