医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
水俣病は、熊本県水俣湾および新潟県阿賀野川(第二水俣病)で発生した「メチル水銀」中毒による公害病である。中枢神経系が広範に障害され、四肢末端の感覚障害や求心性視野狭窄などのHunter-Russell症候群を呈する。
Hunter-Russell症候群:感覚障害(四肢末端や口周囲のしびれ・感覚鈍麻)、求心性視野狭窄、運動失調(歩行障害、振戦)、聴力障害、構音障害。
重症例では痙攣、意識障害、狂躁状態を呈し死に至る。
胎児性水俣病:精神遅滞、原始反射の残存、運動障害などの脳性麻痺様症状。
初期評価
流行地域の魚介類多食歴と、特徴的な中枢神経症状(Hunter-Russell症候群)から疑う。
検査
毛髪中・血中の水銀濃度の高値を確認する。頭部MRIでは大脳皮質(後頭葉や中心後回など)や小脳の萎縮を認める。
治療方針
破壊された中枢神経細胞を修復する根本的な治療法はなく、リハビリテーションや対症療法(抗痙攣薬や鎮痛薬の投与など)が主体となる。
急性期の水銀排泄促進を目的としてキレート剤(D-ペニシラミンなど)が使用されることがあるが、慢性曝露による不可逆的な障害が完成した状態での効果は限定的である。
病態
化学工場から排出された無機水銀が環境中でメチル水銀に変化し、食物連鎖によって魚介類に生物濃縮された。これを住民が長期・大量に摂取したことで発症。メチル水銀は血液脳関門(BBB)や胎盤を容易に通過するため、大脳皮質(視覚野、感覚野)や小脳などの中枢神経系を不可逆的に破壊する。
試験・臨床での重要ポイント
四大公害病の一つ。原因物質『メチル水銀』。新潟の阿賀野川で発生したものを第二水俣病と呼ぶ。
国試・CBTでの超頻出キーワードは『Hunter-Russell(ハンター・ラッセル)症候群』の4大症状である:①『四肢末端の感覚障害』(手袋靴下型より広くみられる)、②『求心性視野狭窄』、③『小脳失調』(ふらつき)、④『構音障害・難聴』。
また、母体が無症状または軽症であっても、胎盤を通じて胎児の脳に深刻な障害をもたらす『胎児性水俣病』(重症の脳性麻痺様症状)も重要である。
覚え方・コツ
「水俣病は『メチル水銀』が脳と神経を食い荒らす公害!熊本県水俣湾と新潟県阿賀野川。テストの超定番は『ハンター・ラッセル症候群』の4つ!(①手足のしびれ、②視野の周りが見えない[求心性視野狭窄]、③ふらつく、④言葉が出ない・聞こえない)。胎盤も通るから赤ちゃんにも影響(胎児性水俣病)。」
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
四日市ぜんそくは、三重県四日市市の石油化学コンビナートから排出された「硫黄酸化物(SOx)」などの大気汚染物質によって引き起こされた集団喘息・慢性呼吸器疾患である。四大公害病の中で唯一の大気汚染による公害である。
黒脚病は、慢性的なヒ素曝露によって引き起こされる末梢血管疾患である。台湾南西部などで、ヒ素を高濃度に含む井戸水を長期間飲用した住民に多発したことで知られ、末梢動脈の閉塞による下肢の壊死を特徴とする。
クロルアクネ(塩素ざ瘡)は、ダイオキシン類やポリ塩化ビフェニル(PCB)などの有機塩素化合物に曝露されることで生じる、極めて難治性のざ瘡(ニキビ)様皮疹である。日本では「カネミ油症事件」の代表的な皮膚症状として有名。
イタイイタイ病は、富山県神通川流域で発生した「カドミウム」による公害病である。カドミウムによる腎近位尿細管障害から骨軟化症をきたし、多発骨折と全身の激しい骨痛を呈する。