公衆衛生に関連する疾患を9件掲載。概要・科目・更新日を確認しながら、国家試験・臨床実習・復習に使える疾患知識を効率よく整理できます。
熱中症は、高温多湿な環境下で体温調節機能が破綻し、体内の水分や塩分バランスが崩れることで生じる全身の障害である。日本救急医学会の重症度分類(I度〜III度)と、それに応じた適切な対処・冷却・輸液(特にIII度での迅速な急速冷却と集中治療)がCBTや国試、救急臨床において極めて重要となる。
石綿肺は、建築業や造船業などで「アスベスト(石綿)」を長期間吸入することで生じる塵肺(間質性肺炎)の一種。下肺野優位の線維化と胸膜プラークが特徴であり、悪性胸膜中皮腫や原発性肺癌の強烈なリスクファクターとなる。
四日市ぜんそくは、三重県四日市市の石油化学コンビナートから排出された「硫黄酸化物(SOx)」などの大気汚染物質によって引き起こされた集団喘息・慢性呼吸器疾患である。四大公害病の中で唯一の大気汚染による公害である。
黒脚病は、慢性的なヒ素曝露によって引き起こされる末梢血管疾患である。台湾南西部などで、ヒ素を高濃度に含む井戸水を長期間飲用した住民に多発したことで知られ、末梢動脈の閉塞による下肢の壊死を特徴とする。
珪肺は、トンネル工事や石工などの職業で「遊離珪酸(シリカ)」の粉塵を長期間吸入することで発症する塵肺の一種。上肺野優位の粒状影と、肺門リンパ節の「卵殻状石灰化」が特徴であり、肺結核を合併しやすい(珪肺結核)。
クロルアクネ(塩素ざ瘡)は、ダイオキシン類やポリ塩化ビフェニル(PCB)などの有機塩素化合物に曝露されることで生じる、極めて難治性のざ瘡(ニキビ)様皮疹である。日本では「カネミ油症事件」の代表的な皮膚症状として有名。
イタイイタイ病は、富山県神通川流域で発生した「カドミウム」による公害病である。カドミウムによる腎近位尿細管障害から骨軟化症をきたし、多発骨折と全身の激しい骨痛を呈する。
ハンセン病は、抗酸菌の一種である「らい菌(Mycobacterium leprae)」の感染によって引き起こされる慢性感染症である。主に末梢神経と皮膚を侵し、知覚麻痺や皮膚病変をきたす。感染力は極めて弱く、現在は多剤併用療法(MDT)によって完治する疾患である。