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黒脚病は、慢性的なヒ素曝露によって引き起こされる末梢血管疾患である。台湾南西部などで、ヒ素を高濃度に含む井戸水を長期間飲用した住民に多発したことで知られ、末梢動脈の閉塞による下肢の壊死を特徴とする。
初期:下肢の冷感、しびれ、間欠性跛行(歩くと足が痛み、休むと治まる)。
進行期:安静時痛、足趾のチアノーゼ、皮膚の黒色変化(乾性壊死・ミイラ化)。
ヒ素中毒の随伴症状:皮膚の雨だれ様色素沈着、角化症。
初期評価
流行地域の居住歴(過去の井戸水飲用歴)と、特徴的な下肢の虚血・壊死、皮膚症状から疑う。
検査
尿、毛髪、爪の『ヒ素濃度の上昇』を確認する。末梢血管障害の評価としてABI(足関節上腕血圧比)の低下、血管エコーや造影検査で動脈の狭窄・閉塞を確認する。
治療方針
根本的な治療(ヒ素の除去)は難しく、さらなる曝露の回避(安全な水への転換)が最重要。
下肢の虚血に対しては、血流改善薬(プロスタグランジン製剤など)や交感神経ブロックを行うが、壊死が進行した重症例では『外科的下肢切断術』が必要となる。
病態
飲料水中に含まれる無機ヒ素を長期摂取することにより、血管内皮細胞が障害され、末梢動脈の閉塞と虚血が生じる。
試験・臨床での重要ポイント
公衆衛生・中毒学の分野において、『ヒ素(As)』の慢性中毒症の代表として問われる。ヒ素の慢性中毒では、黒脚病(末梢循環障害による下肢の壊死)のほか、『皮膚の色素沈着・脱失(雨だれ様色素沈着)』、『ボーエン病(表皮内癌)』、『皮膚癌(有棘細胞癌など)』の合併が超頻出キーワードである。
覚え方・コツ
「黒脚病は『ヒ素』入りの井戸水を飲んで足が腐る(黒くミイラ化する)病気!台湾での公害が有名。ヒ素の慢性中毒は『足が黒くなる(黒脚病)』+『皮膚のガン(ボーエン病・皮膚癌)』のセットで覚える!」
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水俣病は、熊本県水俣湾および新潟県阿賀野川(第二水俣病)で発生した「メチル水銀」中毒による公害病である。中枢神経系が広範に障害され、四肢末端の感覚障害や求心性視野狭窄などのHunter-Russell症候群を呈する。
四日市ぜんそくは、三重県四日市市の石油化学コンビナートから排出された「硫黄酸化物(SOx)」などの大気汚染物質によって引き起こされた集団喘息・慢性呼吸器疾患である。四大公害病の中で唯一の大気汚染による公害である。
クロルアクネ(塩素ざ瘡)は、ダイオキシン類やポリ塩化ビフェニル(PCB)などの有機塩素化合物に曝露されることで生じる、極めて難治性のざ瘡(ニキビ)様皮疹である。日本では「カネミ油症事件」の代表的な皮膚症状として有名。
イタイイタイ病は、富山県神通川流域で発生した「カドミウム」による公害病である。カドミウムによる腎近位尿細管障害から骨軟化症をきたし、多発骨折と全身の激しい骨痛を呈する。