医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
イタイイタイ病は、富山県神通川流域で発生した「カドミウム」による公害病である。カドミウムによる腎近位尿細管障害から骨軟化症をきたし、多発骨折と全身の激しい骨痛を呈する。
全身の骨痛、関節痛、筋力低下
多発骨折(肋骨、大腿骨、脊椎など)、骨の変形、低身長化
歩行障害(アヒル歩行など)
初期評価
流行地域の居住歴と特徴的な全身骨痛、骨折から疑う。
検査
尿検査で『尿中カドミウム上昇』、『尿中β2-ミクログロブリン上昇』(近位尿細管障害)、アミノ酸尿、糖尿。血液検査で低リン血症、低カルシウム血症、ALP上昇。X線でMilkman(ミルクマン)骨折線や高度の骨萎縮を認める。
治療方針
体内からカドミウムを安全かつ効果的に除去する特異的な解毒療法はなく、対症療法が中心となる。汚染地域からの離脱(曝露の停止)が最重要。
ビタミンD製剤やカルシウムの補充により骨軟化症の改善を図り、痛みに対しては鎮痛薬を使用する。骨折に対しては整形外科的治療を行う。
病態
鉱山から排出されたカドミウム(Cd)を含んだ廃水が河川を汚染し、その水で育った農作物や魚介類を長期間摂取することで発症した。カドミウムは腎臓の近位尿細管に蓄積して機能障害(Fanconi症候群:アミノ酸尿、糖尿、リン酸尿)を引き起こす。リンとカルシウムの再吸収が阻害されることで血中濃度が低下し、代償的に骨からカルシウムが動員される結果、重度の骨軟化症・骨粗鬆症を生じる。
試験・臨床での重要ポイント
四大公害病の一つ。原因物質『カドミウム』、発生地『神通川』が絶対暗記。
近位尿細管障害のマーカーとして尿中『β2-ミクログロブリン』が上昇するのが頻出キーワード。中高年の経産婦に多発し、少し動いただけで骨折するほどの脆弱性により「痛い、痛い」と泣き叫んだことが病名の由来である。
覚え方・コツ
「イタイイタイ病は『カドミウム』が腎臓を壊して骨がスッカスカになる公害!富山県の神通川。近位尿細管がやられる(Fanconi症候群)から、尿に『β2-ミクログロブリン』が漏れ出る。おばあちゃん達が骨折しまくって『痛い痛い』と泣いた。原因物質と川の名前は絶対暗記!」
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
水俣病は、熊本県水俣湾および新潟県阿賀野川(第二水俣病)で発生した「メチル水銀」中毒による公害病である。中枢神経系が広範に障害され、四肢末端の感覚障害や求心性視野狭窄などのHunter-Russell症候群を呈する。
四日市ぜんそくは、三重県四日市市の石油化学コンビナートから排出された「硫黄酸化物(SOx)」などの大気汚染物質によって引き起こされた集団喘息・慢性呼吸器疾患である。四大公害病の中で唯一の大気汚染による公害である。
黒脚病は、慢性的なヒ素曝露によって引き起こされる末梢血管疾患である。台湾南西部などで、ヒ素を高濃度に含む井戸水を長期間飲用した住民に多発したことで知られ、末梢動脈の閉塞による下肢の壊死を特徴とする。
クロルアクネ(塩素ざ瘡)は、ダイオキシン類やポリ塩化ビフェニル(PCB)などの有機塩素化合物に曝露されることで生じる、極めて難治性のざ瘡(ニキビ)様皮疹である。日本では「カネミ油症事件」の代表的な皮膚症状として有名。