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四日市ぜんそくは、三重県四日市市の石油化学コンビナートから排出された「硫黄酸化物(SOx)」などの大気汚染物質によって引き起こされた集団喘息・慢性呼吸器疾患である。四大公害病の中で唯一の大気汚染による公害である。
激しい咳、喀痰、喘鳴、呼吸困難。
重症化・慢性化すると慢性閉塞性肺疾患(COPD)様の状態となり、肺性心(右心不全)による浮腫などを合併し、死に至ることもあった。
初期評価
大気汚染地域(四日市市周辺など)への居住歴と、特徴的な慢性閉塞性呼吸器疾患(喘息、慢性気管支炎など)の臨床症状から診断された。
検査
呼吸機能検査で閉塞性換気障害(1秒率低下)。現在では公害対策が進み、新規の「四日市ぜんそく」としての診断はない。
治療方針
最も重要な治療は「大気汚染地域からの転地療養(原因物質からの隔離)」であった。症状に対しては、気管支拡張薬(β2刺激薬やテオフィリン製剤など)、去痰薬、吸入ステロイド薬などを用いた対症療法や、重症例への酸素療法が行われた。
環境行政的対応(脱硫装置の設置、煙突の高層化、環境基準の厳格化)により大気汚染が改善し、現在は新たな発症は抑えられている。
病態
1960年代の高度経済成長期、重化学工業の発展に伴い工場群から排出された亜硫酸ガス(SO2)をはじめとする硫黄酸化物や浮遊粒子状物質が気道粘膜を刺激し、気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫などの閉塞性呼吸器疾患を多発させた。
試験・臨床での重要ポイント
原因物質『硫黄酸化物(SOx)』と発生地『三重県四日市市』が定番。
他の四大公害病(水俣病、第二水俣病、イタイイタイ病)が有害物質の「食物連鎖・経口摂取」による中毒であるのに対し、四日市ぜんそくは「吸入」による大気汚染公害である点が最大のポイントである。
覚え方・コツ
「四日市ぜんそくは四大公害病の中で唯一の『空気(大気汚染)』の公害!三重県四日市市の工場から出た『硫黄酸化物(SOx)』を吸い込んで喘息になった。他の3つは全部『川・海経由(食べ物・飲み水)』だけど、これだけは『煙(吸入)』なのがポイント!SOxと喘息をセットで覚える!」
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水俣病は、熊本県水俣湾および新潟県阿賀野川(第二水俣病)で発生した「メチル水銀」中毒による公害病である。中枢神経系が広範に障害され、四肢末端の感覚障害や求心性視野狭窄などのHunter-Russell症候群を呈する。
黒脚病は、慢性的なヒ素曝露によって引き起こされる末梢血管疾患である。台湾南西部などで、ヒ素を高濃度に含む井戸水を長期間飲用した住民に多発したことで知られ、末梢動脈の閉塞による下肢の壊死を特徴とする。
クロルアクネ(塩素ざ瘡)は、ダイオキシン類やポリ塩化ビフェニル(PCB)などの有機塩素化合物に曝露されることで生じる、極めて難治性のざ瘡(ニキビ)様皮疹である。日本では「カネミ油症事件」の代表的な皮膚症状として有名。
イタイイタイ病は、富山県神通川流域で発生した「カドミウム」による公害病である。カドミウムによる腎近位尿細管障害から骨軟化症をきたし、多発骨折と全身の激しい骨痛を呈する。