医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
珪肺は、トンネル工事や石工などの職業で「遊離珪酸(シリカ)」の粉塵を長期間吸入することで発症する塵肺の一種。上肺野優位の粒状影と、肺門リンパ節の「卵殻状石灰化」が特徴であり、肺結核を合併しやすい(珪肺結核)。
初期は無症状。
進行すると、労作時息切れ、咳嗽、喀痰。
結核や非結核性抗酸菌症を合併した場合、発熱、全身倦怠感、血痰などが急激に出現する。
初期評価
長期間(通常10年以上)の遊離珪酸曝露歴の聴取が絶対条件。
検査
胸部X線やHRCTで『上・中肺野優位』の境界明瞭な小結節影、進行例ではそれらが癒合した巨大な腫瘤状陰影(進行性塊状線維化:PMF)を確認する。両側肺門リンパ節の『卵殻状石灰化(eggshell calcification)』は特徴的所見。結核合併を疑う場合は喀痰抗酸菌検査を必ず行う。
治療方針
形成された線維化を元に戻す治療法はなく、粉塵作業からの離脱(これ以上の曝露を防ぐこと)が基本となる。
呼吸困難に対する対症療法(気管支拡張薬、在宅酸素療法など)。合併症である肺結核に対しては、通常の結核治療に準じて抗結核薬の多剤併用療法を行う。
病態
吸入されたシリカ粒子を肺胞マクロファージが貪食するが、シリカの毒性によりマクロファージが死滅し、その際に放出される炎症性サイトカインなどが線維芽細胞を刺激して、肺に不可逆的な結節性の線維化をきたす。
試験・臨床での重要ポイント
「トンネル掘削作業員、採石業、ガラス工」の職業歴が必須のキーワード。
画像所見では『上肺野優位』の小結節影と、肺門リンパ節の辺縁がリング状に白く抜ける『卵殻状石灰化(eggshell calcification)』が超頻出。
また、マクロファージがシリカの処理で手一杯になり機能不全に陥るため、『肺結核(抗酸菌感染症)』を極めて合併しやすい(珪肺結核)ことが最大の試験ポイントである。
覚え方・コツ
「珪肺は『石の粉(シリカ)』を吸って肺が固まる職業病!トンネル工事の仕事。石綿肺(下肺野)と違って、珪肺は『上肺野』に影ができる。レントゲンで肺の付け根(肺門)のリンパ節が『卵の殻(卵殻状石灰化)』みたいに白く縁取られる。マクロファージが過労死するから『結核』に超かかりやすい!」
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
I型呼吸不全は、動脈血酸素分圧(PaO2)が60Torr以下に低下しているが、二酸化炭素分圧(PaCO2)は正常または低下(45Torr以下)している状態。主に肺の実質や間質の障害による「酸素化障害」が原因である。
II型呼吸不全は、PaO2が60Torr以下に低下し、かつPaCO2が45Torrを超えて蓄積している状態。気道の閉塞や呼吸筋の低下による「肺胞換気量の低下(息が十分に吐き出せない、吸い込めない)」が主な原因である。
嚢胞性線維症(CF)は、CFTR遺伝子の異常により全身の外分泌腺の分泌液が異常に粘稠となる常染色体潜性(劣性)遺伝疾患である。白人に多く日本人には極めて稀。気道感染の反復による呼吸不全と、膵外分泌不全による消化・吸収不良が二大症状となる。
CO2ナルコーシスは、慢性的に高CO2血症がある患者(主に重症COPD)に対し、不適切に高濃度の酸素を投与した結果、呼吸中枢が抑制されてさらにCO2が蓄積し、重篤な意識障害や呼吸停止に陥る医原性の病態である。