肺腺癌は、原発性肺癌の中で最も頻度が高く(約60%)、非喫煙者や女性にも多く発症する。肺の末梢(肺野)に発生しやすく、EGFR変異などのドライバー遺伝子変異が高率に見つかるため、分子標的治療が予後を劇的に改善している。
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早期は無症状。
進行時:長引く咳嗽、血痰、胸痛、呼吸困難。
転移・浸潤による症状:胸水貯留による息切れ、脳転移による神経症状、骨転移による骨痛など。
画像診断:胸部CT(末梢側のすりガラス影:GGO、または充実性結節、スピキュラ形成)。PET-CT(遠隔転移やリンパ節転移の評価)。
病理診断(確定):気管支鏡下生検、CTガイド下経皮的肺生検。組織学的に腺管形成や粘液産生を確認。
遺伝子・バイオマーカー検査:EGFR、ALK、ROS1、BRAF、PD-L1発現率の測定(治療方針決定に必須)。
早期(I・II期):外科的切除(肺葉切除+リンパ節郭清)。
局所進行期(III期):化学放射線療法、免疫チェックポイント阻害薬(デュルバルマブ)の地固め療法。
進行・再発期(IV期):ドライバー遺伝子陽性なら『分子標的薬』。陰性なら細胞障害性抗がん剤+『免疫チェックポイント阻害薬(ペムブロリズマブなど)』の併用療法。
病態
肺胞上皮や気管支腺から発生する。初期は胸部X線で淡いすりガラス影(GGO)を呈することが多い。リンパ行性や血行性に転移しやすく、胸膜に播種すると癌性胸膜炎(悪性胸水)をきたす。
試験・臨床での重要ポイント
扁平上皮癌が「肺門部・喫煙者・男性」に多いのに対し、肺腺癌は『肺野部(末梢)・非喫煙者・女性』にも多いのが対比の基本。
腫瘍マーカーは『CEA』や『SLX』が上昇する。
治療戦略において『ドライバー遺伝子変異の検索』が絶対の鉄則。日本人腺癌の約半数に見られる『EGFR遺伝子変異』や、『ALK融合遺伝子』『ROS1』『BRAF』などを調べ、それぞれに対応する特異的な『分子標的薬(ゲフィチニブ、オシメルチニブ、アレクチニブなど)』を第一選択として使用する。
覚え方・コツ
「肺腺癌は『タバコを吸わない女性の肺の端っこ(末梢)にできるガン』!健康診断のレントゲンで薄い影(GGO)として見つかることが多い。治療はまず『遺伝子のバグ(EGFRやALK)』を探せ!バグが見つかれば、それを狙い撃ちにする飲み薬(分子標的薬)が劇的に効く現代医療のスタープレイヤーだ!」
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肺好酸球増多症(PIE症候群)は、血中好酸球の増多と、胸部画像上の肺浸潤影を伴う疾患群の総称。好酸球性肺炎(急性・慢性)、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)、寄生虫感染(Loffler症候群)などが含まれ、多くはステロイドが著効する。
I型呼吸不全は、動脈血酸素分圧(PaO2)が60Torr以下に低下しているが、二酸化炭素分圧(PaCO2)は正常または低下(45Torr以下)している状態。主に肺の実質や間質の障害による「酸素化障害」が原因である。
II型呼吸不全は、PaO2が60Torr以下に低下し、かつPaCO2が45Torrを超えて蓄積している状態。気道の閉塞や呼吸筋の低下による「肺胞換気量の低下(息が十分に吐き出せない、吸い込めない)」が主な原因である。
嚢胞性線維症(CF)は、CFTR遺伝子の異常により全身の外分泌腺の分泌液が異常に粘稠となる常染色体潜性(劣性)遺伝疾患である。白人に多く日本人には極めて稀。気道感染の反復による呼吸不全と、膵外分泌不全による消化・吸収不良が二大症状となる。