II型呼吸不全は、PaO2が60Torr以下に低下し、かつPaCO2が45Torrを超えて蓄積している状態。気道の閉塞や呼吸筋の低下による「肺胞換気量の低下(息が十分に吐き出せない、吸い込めない)」が主な原因である。
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血液ガス分析(室内気吸入時):PaO2 ≦ 60 Torr、かつ PaCO2 > 45 Torr。呼吸性アシドーシス(pH低下)を伴うことが多い。
A-aDO2:純粋な肺胞低換気(神経筋疾患、呼吸中枢抑制など)では「正常」であることが多いが、COPDや喘息など肺自体の病変を伴う場合は「開大」する。
換気補助(最重要):溜まったCO2を体外へ排出させるため、『NPPV(非侵襲的陽圧換気:BIPAPなど)』を用いて換気を直接的に補助する。重症の意識障害があれば気管挿管を行う。
酸素投与:『低濃度酸素投与』から慎重に開始し、SpO2 88〜92%(あるいはPaO2 60Torr)程度を目標とする。高すぎる目標設定は避ける。
原疾患の治療:COPDや喘息に対する気管支拡張薬の吸入、全身性ステロイドの投与など。
病態
空気の通り道が詰まったり(COPD、気管支喘息)、呼吸を動かす神経や筋肉が弱ったり(ALS、筋ジストロフィー)、脳の呼吸中枢がサボったりすることで、十分な換気ができなくなる。結果として、酸素を取り込めないだけでなく、CO2も体外へ捨てられなくなり血中に溜まる(高炭酸ガス血症)。
試験・臨床での重要ポイント
原因疾患として『COPD(肺気腫・慢性気管支炎)、気管支喘息の重積発作、睡眠時無呼吸症候群(SAS)、神経筋疾患(ALS等)』が超頻出。
最大の注意点は『酸素投与の方法』。慢性的なII型呼吸不全(特に重症COPD)の患者に不用意に高濃度の酸素を投与すると、呼吸中枢が抑制されてさらにCO2が溜まり、昏睡状態に陥る『CO2ナルコーシス』を引き起こす危険がある。そのため、酸素は『低濃度(鼻カヌラで0.5〜1.0L/分など)から慎重に投与』するのが絶対の鉄則。
覚え方・コツ
「II型呼吸不全は『酸素が足りない + CO2がゴミのように溜まっている』状態!空気が通らない(COPD)、あるいは呼吸の筋肉が動かない(ALS)から、換気そのものができていない。治療は酸素をあげるだけじゃダメで、溜まったCO2を『換気(NPPVなど)で吹き飛ばす』必要がある。COPD患者に高濃度酸素をガバッとあげるのは、CO2ナルコーシスでトドメを刺す行為だから絶対NG!」
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I型呼吸不全は、動脈血酸素分圧(PaO2)が60Torr以下に低下しているが、二酸化炭素分圧(PaCO2)は正常または低下(45Torr以下)している状態。主に肺の実質や間質の障害による「酸素化障害」が原因である。
嚢胞性線維症(CF)は、CFTR遺伝子の異常により全身の外分泌腺の分泌液が異常に粘稠となる常染色体潜性(劣性)遺伝疾患である。白人に多く日本人には極めて稀。気道感染の反復による呼吸不全と、膵外分泌不全による消化・吸収不良が二大症状となる。
CO2ナルコーシスは、慢性的に高CO2血症がある患者(主に重症COPD)に対し、不適切に高濃度の酸素を投与した結果、呼吸中枢が抑制されてさらにCO2が蓄積し、重篤な意識障害や呼吸停止に陥る医原性の病態である。
胸水は、肺を覆う臓側胸膜と胸壁を覆う壁側胸膜の間の「胸腔内」に液体が異常に貯留した状態である。病名というより症候であり、心不全などの全身要因による「漏出性」と、胸膜炎や癌などの局所要因による「滲出性」に大別して原因を検索する。