最終更新日: 2026年4月16日
アスクレピアで深掘りする筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、大脳皮質から脊髄にかけての上位運動ニューロンと下位運動ニューロンが選択的に進行性に変性・脱落する指定難病である。全身の筋力低下や筋萎縮、球麻痺症状を特徴とし、最終的に呼吸筋麻痺に至る。CBTや医師国家試験の神経分野で毎年問われる超頻出疾患である。
Medulava の学習コンテンツとして、理解しやすさと試験実用性を意識して執筆しています。
手足の筋力低下・筋萎縮(遠位筋から始まることが多い)
線維束性収縮(筋肉がピクピクと動く)
球麻痺(構音障害、嚥下障害、舌の萎縮と線維束性収縮)
呼吸困難(進行期の呼吸筋麻痺による)
上位運動ニューロン徴候(病的反射陽性、痙縮)
初期評価
神経診察で上位運動ニューロン徴候(腱反射亢進、病的反射陽性)と下位運動ニューロン徴候(筋萎縮、線維束性収縮)の混在を確認する。同時に感覚障害がないこと(陰性四徴)を確認する。
検査
針筋電図が必須であり、神経原性変化(安静時自発電位、巨大電位)を確認する。頭部・脊髄MRIを行い、他の器質的疾患(頸椎症など)を除外する。
鑑別
頸椎症性脊髄症(感覚障害を伴うことが多い)、脊髄性筋萎縮症(SMA:下位運動ニューロンのみ障害)、多巣性運動ニューロパチー(MMN:伝導ブロックあり)、球脊髄性筋萎縮症(SBMA:男性のみ発症)と鑑別する。
初期対応
嚥下障害による誤嚥性肺炎や、呼吸筋麻痺による呼吸不全を予防・管理する。胃瘻造設や非侵襲的陽圧換気(NPPV)の導入タイミングを慎重に検討する。
根本治療
進行を完全に止める治療法はない。病気の進行を遅らせる目的で、リルゾール(グルタミン酸遊離抑制薬)やエダラボン(フリーラジカル消去薬)の投与を行う。並行してリハビリテーションを中心としたケアを行う。
病態
運動神経(上位および下位運動ニューロン)のみが選択的に障害され、感覚神経、自律神経、眼球運動、膀胱直腸機能などは保たれる(陰性四徴)のが特徴である。
原因
大部分は原因不明の孤発性であるが、一部に家族性(SOD1遺伝子変異など)が存在する。
分類
発症部位により、上肢から発症する普通型、球麻痺症状から発症する球型、下肢から発症する偽多発神経炎型に分類される。
試験での重要ポイント
「感覚障害がないのに進行性の筋萎縮・筋力低下と線維束性収縮(ピクつき)」があればこの疾患を疑う。上位・下位運動ニューロン障害が混在する所見(萎縮しているのに腱反射が亢進するなど)や、ALSにみられない「陰性四徴(感覚障害、眼球運動障害、膀胱直腸障害、褥瘡)」は頻出である。鑑別でよく出るのは「頸椎症性脊髄症」や「脊髄性筋萎縮症(SMA)」である。
覚え方・コツ
「ALSの陰性四徴:感覚、眼球、膀胱、褥瘡(かん・がん・ぼう・じょく)はセーフ」と覚える。
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
ランバート・イートン症候群(LEMS)は、神経筋接合部の神経末端からのアセチルコリン放出が障害され、筋力低下を来す自己免疫疾患である。肺小細胞癌などの悪性腫瘍に合併することが多く、下肢近位筋の筋力低下を特徴とする。CBTや医師国家試験では重症筋無力症との鑑別が超頻出の重要疾患である。
大脳皮質基底核変性症(CBD)は、脳の皮質と基底核の両方が萎縮し、タウ蛋白が蓄積する進行性の神経変性疾患である。左右差の顕著な筋強剛や肢位失行、他人の手徴候を特徴とする。指定難病であり、医師国家試験やCBTでは進行性核上性麻痺(PSP)との鑑別問題で超頻出の重要疾患である。
脊髄小脳変性症(SCD)は、小脳や脊髄の神経細胞が徐々に変性・脱落していく進行性の指定難病の総称である。歩行時のふらつきや手の震え、呂律が回らないなどの運動失調を主症状とする。孤発性と遺伝性があり、CBTや医師国家試験では多系統萎縮症(MSA)との分類や小脳症状の診察法が毎年問われる頻出疾患である。
進行性核上性麻痺(PSP)は、脳の基底核や脳幹にタウ蛋白が蓄積し、神経細胞が脱落する指定難病である。初期からの易転倒性(後方への転倒)や下方への垂直性眼球運動障害を特徴とする。パーキンソン症候群を呈する代表的な疾患であり、医師国家試験の神経内科分野において鑑別疾患として超頻出である。