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アイザックス症候群は、末梢神経の電位依存性カリウムチャネル(VGKC)複合体に対する自己抗体によって生じる、稀な自己免疫性末梢神経興奮性亢進症である。筋肉のピクつき(ミオキミア)や持続的なこわばりが特徴である。
ミオキミア(皮膚の下で筋肉が波打つような不随意運動)、線維束性攣縮
筋強直、こわばり(特に手足に強く、動作後に筋肉が弛緩しにくい:偽性ミオトニー)
筋痙攣(こむら返り)
多汗、自律神経症状
※これらの筋収縮は睡眠中も持続する。
初期評価
持続的な筋のピクつきとこわばりから疑う。
検査
針筋電図検査で、安静時にも持続する特徴的な高頻度の運動単位電位(ミオキミア放電、ニューロミオトニー放電)を確認する。血液検査で『抗VGKC複合体抗体(抗CASPR2抗体など)』が陽性となる。胸腺腫などを合併することがあるため全身検索を行う。
治療
末梢神経の興奮を抑えるため、「抗てんかん薬(フェニトイン、カルバマゼピンなど)」の内服が対症療法として有効である。自己免疫疾患であるため、根本的治療として副腎皮質ステロイド、免疫グロブリン大量静注療法(IVIG)、血漿交換療法などの「免疫療法」が行われる。
病態
末梢神経終末におけるVGKC複合体(特にCASPR2など)に対する自己抗体が産生され、カリウムチャネルの機能が阻害される。これにより末梢運動神経の興奮性が異常に亢進し、持続的な活動電位が発生して筋肉が勝手に収縮し続ける。
試験・臨床での重要ポイント
「筋肉が波打つようにピクピクと動く(『ミオキミア』、線維束性攣縮)」と、「筋肉がこわばって弛緩しにくい(偽性ミオトニー)」のが特徴。寝ている間(睡眠中)や全身麻酔下でも筋肉のピクつきが持続するのが大きな特徴である。血中の『抗VGKC複合体抗体(抗CASPR2抗体など)』が陽性となる自己免疫疾患である。
覚え方・コツ
「アイザックス症候群は、運動神経のブレーキ(Kチャネル)が自己抗体で壊されて、筋肉が四六時中ピクピク・ビクビク波打つ病気(ミオキミア)!寝ていてもピクピク止まらない。抗てんかん薬で神経をなだめるか、免疫治療で抗体を追い出せ!」
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CIDPは、自己免疫学的機序により、末梢神経のミエリン鞘(髄鞘)が慢性的に破壊(脱髄)される疾患。ギラン・バレー症候群(GBS)と類似の病態だが、2ヶ月以上かけて進行、または再発と寛解を繰り返す点で異なる。ステロイドが第一選択となる。
神経線維腫症1型(von Recklinghausen病:レックリングハウゼン病)は、第17染色体にあるがん抑制遺伝子(NF1遺伝子)の変異によって生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。カフェ・オ・レ斑と多発する神経線維腫を特徴とし、全身の多彩な合併症を伴う。
三叉神経痛は、顔面の感覚を司る三叉神経(第V脳神経)が、脳幹からの出口付近で血管(主に上小脳動脈)に圧迫されることで、顔面に突発的で激しい「電撃痛」を繰り返す疾患。抗てんかん薬であるカルバマゼピンが特効薬となる。
ビタミンB1(チアミン)の欠乏により、糖代謝が障害されてATPが産生できなくなり、末梢神経障害や心不全、中枢神経障害をきたす疾患。心不全を伴う「湿性脚気」、末梢神経障害主体の「乾性脚気」、そしてアルコール依存症等に合併する中枢神経障害「Wernicke(ウェルニッケ)脳症」が有名。