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多発性筋炎は、主に体幹に近い骨格筋(近位筋)に炎症が生じ、対称性の筋力低下と筋痛をきたす自己免疫疾患である。皮膚症状を伴わない。間質性肺炎や悪性腫瘍の合併に注意が必要である。
筋症状:近位筋(大腿、上腕、頸筋など)の対称性筋力低下、筋萎縮、軽度の筋痛。眼筋や顔面筋は通常障害されない。
その他:嚥下障害(咽頭筋・食道上部(横紋筋)の筋力低下による誤嚥)、間質性肺炎(乾性咳嗽、労作時息切れ)、関節痛、不整脈・心筋炎。
※特異的な皮疹(ヘリオトロープ疹など)は認めない(認めれば皮膚筋炎となる)。
初期評価
近位筋優位の筋力低下とCK高値から疑う。
検査
血液検査で筋逸脱酵素(CK、アルドラーゼ、AST、LDH、ミオグロビン)の上昇。自己抗体(抗Jo-1抗体など)陽性。針筋電図で『筋原性変化(低振幅短持続電位:安静時自発電位)』。MRI(STIR像や脂肪抑制T2)で筋炎の広がり(高信号)を確認。確定診断は『筋生検』であり、筋線維の壊死・再生と、CD8+ T細胞を中心とした細胞浸潤を証明する。
治療方針
第一選択は『副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン)の高用量投与』である。重症例やステロイドの効果が不十分な場合、再発を繰り返す場合には、免疫抑制薬(アザチオプリン、メトトレキサート、タクロリムスなど)やIVIG(免疫グロブリン大量静注療法)を併用する。嚥下障害への対応や、筋力維持のためのリハビリテーションも重要。
病態
CD8陽性T細胞(細胞傷害性T細胞)が筋線維の抗原を認識して直接攻撃し、筋線維の壊死と再生を繰り返す自己免疫性筋炎。
試験・臨床での重要ポイント
「中高年女性」が「しゃがみ立ちができない、階段がのぼれない、高いところの洗濯物が干せない(近位筋の筋力低下)」と訴えるエピソードが定番。CK(クレアチンキナーゼ)やアルドラーゼなどの筋逸脱酵素が著増する。特異抗体として『抗Jo-1抗体(抗ARS抗体の一種)』が有名であり、これが陽性の場合は『間質性肺炎』と『機械工の手(メカニックハンド:手指の角化・ひび割れ)』を合併しやすい。皮膚筋炎ほどではないが、悪性腫瘍の合併率も高いためスクリーニングが必要。
覚え方・コツ
「多発性筋炎は『体に近い太い筋肉(近位筋)』が溶ける病気!太ももや二の腕に力が入らず、立ち上がりやバンザイができなくなる。筋肉が壊れてCKが爆上がりする。抗Jo-1抗体が出たら『肺(間質性肺炎)』の悪化に気をつけろ!」
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脊柱管狭窄症は、加齢に伴う骨や靱帯の変形により脊柱管が狭くなり、中の馬尾神経や神経根が慢性的に圧迫される疾患である。高齢者に多く、歩行により下肢痛・しびれが出現し、休むと改善する「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が特徴的である。
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