最終更新日: 2026年4月17日
アスクレピアで深掘りする重症筋無力症(MG)は、神経筋接合部(NMJ)のニコチン性アセチルコリン受容体(AChR)などが自己抗体により攻撃され、情報の伝達が阻害されることで筋力低下や易疲労性を来す自己免疫疾患である。午後から夕方にかけて症状が悪化する「日内変動」が特徴。CBTや医師国家試験では、眼瞼下垂などの眼症状、胸腺異常(胸腺腫など)の合併、反復刺激試験でのWaning現象、およびクリーゼへの対応が毎年問われる超頻出疾患である。
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重症筋無力症(MG)は、神経筋接合部(NMJ)のニコチン性アセチルコリン受容体(AChR)などが自己抗体により攻撃され、情報の伝達が阻害されることで筋力低下や易疲労性を来す自己免疫疾患である。午後から夕方にかけて症状が悪化する「日内変動」が特徴。CBTや医師国家試験では、眼瞼下垂などの眼症状、胸腺異常(胸腺腫など)の合併、反復刺激試験でのWaning現象、およびクリーゼへの対応が毎年問われる超頻出疾患である。
眼症状(初期症状として最多):眼瞼下垂(まぶたが下がる)、複視(物が二重に見える)。
球症状:構音障害(鼻声になる)、嚥下障害(飲み込みにくい)、咀嚼障害(噛むと顎が疲れる)。
四肢・体幹の筋力低下:近位筋(肩や太もも)優位の筋力低下。
日内変動と易疲労性:朝は調子が良いが、午後から夕方にかけて、あるいは運動を続けると症状が悪化し、休むと回復する。
初期評価
眼瞼下垂や複視、易疲労性の訴えから疑う。上方を注視させ続けると次第にまぶたが下がってくるかを確認する。まぶたを氷で冷やすと改善する「アイスパック試験」も有用。
検査
血液検査:抗AChR抗体(約85%で陽性)、陰性の場合は抗MuSK抗体を測定する。
薬理学的検査:塩酸エドロホニウム(テンシロン試験)を静注し、眼瞼下垂などの症状が一時的に劇的に改善することを確認する。
筋電図:誘発筋電図(反復神経刺激試験)において、低頻度(3Hz)刺激で複合筋活動電位(CMAP)の振幅が10%以上低下する「Waning(漸減)現象」を確認する。
画像検査:胸部CTまたはMRIで「胸腺腫」や「胸腺過形成」の有無を必ず確認する。
鑑別
ランバード・イートン症候群(LEMS:電位依存性カルシウムチャネル抗体、肺小細胞癌合併、高頻度刺激でWaxing現象)、重症筋無力症以外のミオパチー、眼瞼下垂を来す動眼神経麻痺(瞳孔異常を伴うことが多い)と鑑別する。
対症療法
アセチルコリンの分解を防ぎ、受容体への結合確率を高める「コリンエステラーゼ(AChE)阻害薬(ピリドスチグミンなど)」を内服する。
免疫療法(根本治療)
自己抗体の産生を抑えるため、副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬(タクロリムスなど)を投与する。
外科的治療
「胸腺腫」を合併している場合は、原則として絶対的な手術適応(胸腺摘出術)となる。胸腺腫がなくても、若年から中年の全身型で抗AChR抗体陽性の場合は胸腺摘出術(拡大胸腺全摘術)が推奨される。
急性期・クリーゼの治療
呼吸筋の麻痺(クリーゼ)を来した場合は、直ちに気管挿管・人工呼吸管理を行い、自己抗体を直接取り除く「血液浄化療法(血漿交換療法)」や「大量静注免疫グロブリン療法(IVIG)」を緊急で行う。
病態
運動神経末端から放出される神経伝達物質(アセチルコリン:ACh)を受け取る、筋肉側の「アセチルコリン受容体(AChR)」に対して自己抗体(抗AChR抗体など)が産生され、受容体が破壊・ブロックされる。これにより筋肉に収縮の指令が十分に伝わらず、動かせば動かすほど筋肉が疲れて動かなくなる(易疲労性)。
原因
自己免疫異常であり、約70〜80%の患者で胸腺の異常(約20%が胸腺腫、残りが胸腺過形成)を合併する。胸腺腫合併例では抗AChR抗体陽性率が極めて高い。
試験での重要ポイント
「夕方になるとまぶたが下がってくる(眼瞼下垂の夕方悪化・日内変動)」「食べ物を噛んでいると顎が疲れてくる」といったエピソードがあれば本疾患を強く疑う。検査所見では、テンシロン(エドロホニウム)静注により劇的に症状が改善する「テンシロン試験陽性」、および神経反復刺激試験での「Waning(ウェーニング:振幅の漸減)現象」が超頻出。ランバード・イートン症候群(Waxing現象、肺小細胞癌合併)との鑑別が必須である。また、呼吸筋麻痺を来す「クリーゼ(crisis)」には緊急の人工呼吸管理と血液浄化療法(血漿交換)が必要である。
覚え方・コツ
「MGは、夕方に疲れる(日内変動)まぶた(眼瞼下垂)。アセチルコリン受容体が抗体でブロックされ、叩けば叩くほど弱る(Waning現象)。胸腺腫が隠れているからCT必須。クスリ(コリンエステラーゼ阻害薬)でアセチルコリンを増やして戦え!」と覚える。
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正常圧水頭症(iNPH)は、脳脊髄液の圧が正常範囲内であるにもかかわらず脳室が拡大し、歩行障害、認知機能障害、尿失禁の三徴を呈する疾患である。高齢者に多く、シャント手術により症状が改善する「治療可能な認知症」として極めて重要である。CBTや医師国家試験では、特徴的なMRI所見(DESHサイン)や髄液タップテストが超頻出である。
視神経脊髄炎(NMO)は、中枢神経系(特に視神経と脊髄)のアストロサイトに存在する水チャネル「アクアポリン4(AQP4)」に対する自己抗体が原因で生じる自己免疫疾患である。多発性硬化症(MS)と似るが、視力障害や対麻痺がより重篤であり、再発を繰り返す。CBTや国試では、MSとの鑑別(3椎体以上の脊髄病変、難治性しゃっくり、抗AQP4抗体陽性)と、治療薬の禁忌が超頻出である。
強直性ジストロフィーは、成人発症の筋ジストロフィーの中で最も頻度が高く、常染色体顕性遺伝(優性遺伝)を示す。筋強直(ミオトニー)と進行性の筋萎縮に加え、白内障、耐糖能異常、心伝導障害、前頭部脱毛など多彩な全身症状を合併する。CBTや医師国家試験では、斧様顔貌やミオトニー現象、およびトリプレットリピート病としての表現促進現象が頻出である。
一過性脳虚血発作(TIA)は、脳血管の一過性の閉塞により局所神経症状が出現するが、24時間以内(多くは数分〜数十分)に完全に消失する病態である。脳梗塞の極めて重要な前兆(警告発作)であり、発症直後(特に48時間以内)の脳梗塞移行リスクが高い。CBTや医師国家試験では、一過性黒内障のエピソード、ABCD2スコアによるリスク評価、および急性期の抗血小板療法が超頻出である。