脳ヘルニアは、頭蓋内圧亢進により、脳組織が本来の区画から別の区画へ押し出される致死的な病態である。テント切痕ヘルニア(鉤ヘルニアなど)や大後頭孔ヘルニア(小脳扁桃ヘルニア)が代表的で、瞳孔異常や呼吸停止をきたす。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
激しい頭痛、嘔吐、意識障害の進行
患側の瞳孔散大、対光反射消失、眼瞼下垂(動眼神経麻痺)
対側の片麻痺(除脳硬直)
Cushing現象:血圧上昇、徐脈
呼吸異常(Cheyne-Stokes呼吸、失調性呼吸)、最終的に呼吸停止
初期評価
意識障害の進行、瞳孔不同、Cushing現象から直ちに頭蓋内圧亢進と脳ヘルニアを疑う。
検査
頭部CT・MRIで脳腫脹、正中構造の偏位(midline shift)、脳室の圧排・消失、基底槽の消失を確認する。※前述の通り腰椎穿刺は絶対禁忌。
治療方針
超緊急病態であり、一刻も早く頭蓋内圧を下げる必要がある。
①内科的治療:気管挿管による人工呼吸管理(過換気にしてPaCO2を下げ、脳血管を収縮させて脳容積を減らす)、浸透圧利尿薬(マンニトール、グリセオール)の急速静注。
②外科的治療:原因疾患(硬膜外血腫、硬膜下血腫、脳出血、脳腫瘍など)に対する緊急開頭血腫除去術、外減圧術(頭蓋骨を外す)、脳室ドレナージなどが根本治療となる。
病態
頭蓋骨という密閉空間内で、出血や腫瘍などにより圧が上昇し、脳組織が圧の低い場所へ押し出される現象。
試験・臨床での重要ポイント
①テント切痕ヘルニア(鉤ヘルニア):側頭葉内側(鉤)がテント切痕を越えて陥入し、動眼神経を圧迫して『患側の散瞳・対光反射消失』をきたす。進行すると大脳脚を圧迫し『対側の片麻痺』をきたす。
②大後頭孔ヘルニア(小脳扁桃ヘルニア):小脳扁桃が大後頭孔に陥入し、延髄の呼吸中枢を圧迫して『突然の呼吸停止(死)』を招く。
※血圧上昇・徐脈を呈する「Cushing(クッシング)現象」は頭蓋内圧亢進のサイン。頭蓋内圧亢進が疑われる場合の『腰椎穿刺(髄液検査)は脳ヘルニアを誘発するため絶対禁忌』であるのが超頻出。
覚え方・コツ
「脳ヘルニアは脳の押し出し事故!鉤ヘルニアは『動眼神経(目が開く)』と『大脳脚(体が麻痺)』を潰す。大後頭孔ヘルニアは『延髄(呼吸)』を潰して即死する。頭の圧が高い時に腰から髄液を抜く(腰椎穿刺)と、脳が下に吸い込まれてトドメを刺すから絶対禁忌!」
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
アルツハイマー型認知症は、脳内にアミロイドβやタウタンパク質が蓄積し、大脳皮質や海馬の神経細胞が脱落・萎縮することで進行性の認知機能障害をきたす疾患である。認知症の中で最も頻度が高く、近時記憶障害(物忘れ)から発症し、見当識障害や実行機能障害が進行する。
パーキンソン病は、中脳黒質のドパミン神経細胞が変性・脱落し、線条体におけるドパミン不足により多彩な運動症状(4大症状:安静時振戦、筋強剛、無動、姿勢反射障害)をきたす神経変性疾患である。非運動症状(嗅覚障害、便秘、REM睡眠行動異常症)も重要である。
ラムゼイ・ハント症候群は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化により、顔面神経と内耳神経が障害される疾患。「耳介の帯状疱疹(水疱)」「顔面神経麻痺」「内耳神経症状(難聴・めまい)」の三徴が特徴である。
Brown-Séquard症候群は、外傷や腫瘍などにより脊髄の半側(右半分または左半分)が障害されることで生じる症候群である。障害側の運動麻痺・深部感覚障害と、対側の温痛覚障害を呈する「解離性感覚障害」が特徴であり、神経内科・整形外科領域で超頻出である。