細菌性髄膜炎は、脳と脊髄を覆う髄膜に細菌が感染し、化膿性の炎症を引き起こす極めて緊急度の高い疾患である。高熱、頭痛、うなじのこわばり(項部硬直)を3主徴とし、迅速な抗菌薬投与がなければ死に至るか、重篤な後遺症を残す。
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3主徴:高熱、激しい頭痛、項部硬直(うなじが固まって顎が胸につかない)。
髄膜刺激症状:Jolt accentuation、ケルニッヒ徴候(膝を伸ばすと痛む)、ブルジンスキー徴候(首を曲げると膝が曲がる)。
意識障害、けいれん、嘔吐(噴出性)、皮膚の紫斑(髄膜炎菌に多い)。
初期評価:発熱と髄膜刺激症状から直ちに疑う。
髄液検査(最重要):外観:混濁。圧:上昇。細胞数:著増(好中球優位)。蛋白:著増。糖:著明な低下(血清血糖値の50%以下)。
細菌学的検査:髄液のグラム染色(迅速診断)、培養。血液培養(2セット)。
画像診断:脳ヘルニアの兆候や脳膿瘍の除外のためにCTを行うが、検査のために抗菌薬を遅らせてはならない。
1時間以内に開始する強力な初期治療:
ステロイド(デキサメタゾン):抗菌薬による菌の破壊・炎症悪化(難聴などの予防)を防ぐため、必ず『抗菌薬の直前または同時』に投与する。
経験的抗菌薬療法:第3世代セフェム(セフトリアキソン等)+ バンコマイシン。高齢者や新生児などリステリアを疑う場合は『アンピシリン』を追加する。
全身管理:脳浮腫の管理、気道確保、脱水の補正。
病態
細菌が血流や近接部位(副鼻腔炎、中耳炎など)から髄膜に侵入し、クモ膜下腔で増殖する。炎症により脳圧が上昇し、脳組織を直接損傷する。
試験・臨床での重要ポイント
髄液検査の所見が超頻出。細菌は糖を食べるため『糖の著明な低下』をきたし、反応として『好中球が激増』する。外観は『混濁(米のとぎ汁様)』。原因菌は年齢層で異なり、新生児の『GBS(B群連鎖球菌)』や、成人の『肺炎球菌』が定番。髄膜炎菌は寮生活などの集団発生で重要。
身体所見では『項部硬直』、『Jolt accentuation(頭を振ると痛みが響く)』、『Kerning(ケルニッヒ)徴候』、『Brudzinski(ブルジンスキー)徴候』が絶対暗記。
覚え方・コツ
「細菌性髄膜炎は『1分1秒を争う脳の火事』!糖を食い散らかすから『髄液の糖が激減』するのが最大のサイン。疑ったらCTや髄液検査の結果を待たずに『ステロイド(デキサメタゾン)』と『抗菌薬(セフトリアキソン+バンコマイシンなど)』をぶち込むのが鉄則!ステロイドは後遺症(難聴など)を防ぐために必ず抗菌薬より先、または同時に打て!」
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MRSA腸炎は、広域抗菌薬の使用により正常な腸内細菌叢が抑制され、耐性を持つメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が異常増殖して生じる交代現象(菌交代症)の一つである。高齢者の術後などに激しい水様便や緑色便をきたし、急速に脱水・ショックへ進行する重症病態である。
肺炎球菌による市中肺炎(CAP)の最多かつ最も重要な原因疾患。悪寒戦慄を伴う急激な高熱と、「鉄錆色痰(てつさびいろたん)」が特徴的。肺の一葉がベッタリと白くなる大葉性肺炎を呈する。
レジオネラ肺炎は、温泉や24時間風呂、空調の冷却塔などの水系設備から発生するエアロゾルを吸入することで感染する、重症化しやすい非定型肺炎である。高熱に不釣り合いな「相対的徐脈」と、消化器・神経症状、および「低ナトリウム血症」を伴うのが特徴である。
マイコプラズマ肺炎は、「若年者(学童〜若年成人)」に好発する非定型肺炎の代表である。頑固な乾いた咳(乾性咳嗽)が特徴で、細胞壁を持たない菌であるためペニシリンなどのβラクタム系抗菌薬が無効であり、マクロライド系が第一選択となる。