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スティッフパーソン症候群は、体幹や四肢の筋肉が板のように硬くこわばり、突然の音や接触で激しい痛みを伴う筋痙攣を起こす進行性の自己免疫性神経疾患である。抗GAD抗体が陽性となることが多く、1型糖尿病などを合併しやすい。
体幹・四肢近位筋の持続的な強剛(板状硬直。特に腰背部の筋緊張により前弯増強をきたす)
刺激誘発性の有痛性筋痙攣(突然の音や接触による驚愕反応で、激しい痛みを伴う痙攣・硬直が生じる)
歩行障害(ロボット様歩行、転倒しやすい)
※睡眠中や全身麻酔下では筋強剛は消失する(末梢性のアイザックス症候群との鑑別点)。
初期評価
進行性の体幹の硬直と、刺激による有痛性痙攣から疑う。
検査
血液・髄液検査で『抗GAD抗体』の高値を確認する(アンフィフィシン抗体などの場合もある)。針筋電図で安静時の持続的な運動単位活動(持続発射)を確認し、これがジアゼパム静注で消失することを確認する。潜在する悪性腫瘍(傍腫瘍性)の検索も行う。
治療
対症療法として、GABAの働きを強める「ベンゾジアゼピン系薬(ジアゼパムなど)」や「バクロフェン(筋弛緩薬)」を投与する。自己免疫疾患であるため、免疫グロブリン大量静注療法(IVIG)、血漿交換、ステロイド投与などの免疫療法が有効である。悪性腫瘍が合併している場合はその治療を優先する。
病態
抑制性神経伝達物質であるGABA(γ-アミノ酪酸)の合成酵素であるグルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)に対する自己抗体(抗GAD抗体)などが産生される。これにより中枢神経系のGABA作動性抑制が低下し、運動ニューロンが過剰興奮して持続的な筋収縮をきたす。
試験・臨床での重要ポイント
腰背部や腹部などの「体幹の筋肉がカチカチ(板状硬直)になり、歩行がロボットのようになる」のが特徴。また、突然の大きな音や触覚、感情の動きなどの些細な刺激で、極めて痛みを伴う『反射性筋痙攣(驚愕反応)』が誘発され、転倒骨折の原因となる。血液や髄液で『抗GAD抗体』が高力価で陽性となる。1型糖尿病(同じく抗GAD抗体が関与)や自己免疫性甲状腺疾患、乳癌などの腫瘍に随伴(傍腫瘍性神経症候群)することがある。
覚え方・コツ
「スティッフパーソン(硬い人)症候群は、GABA(リラックス物質)が作れなくて全身が板のようにガチガチに固まる病気。ちょっとした音にビックリして激痛の痙攣を起こす(驚愕反応)。血液検査で抗GAD抗体をチェック!治療はGABAを補うジアゼパム!」
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CIDPは、自己免疫学的機序により、末梢神経のミエリン鞘(髄鞘)が慢性的に破壊(脱髄)される疾患。ギラン・バレー症候群(GBS)と類似の病態だが、2ヶ月以上かけて進行、または再発と寛解を繰り返す点で異なる。ステロイドが第一選択となる。
神経線維腫症1型(von Recklinghausen病:レックリングハウゼン病)は、第17染色体にあるがん抑制遺伝子(NF1遺伝子)の変異によって生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。カフェ・オ・レ斑と多発する神経線維腫を特徴とし、全身の多彩な合併症を伴う。
三叉神経痛は、顔面の感覚を司る三叉神経(第V脳神経)が、脳幹からの出口付近で血管(主に上小脳動脈)に圧迫されることで、顔面に突発的で激しい「電撃痛」を繰り返す疾患。抗てんかん薬であるカルバマゼピンが特効薬となる。
ビタミンB1(チアミン)の欠乏により、糖代謝が障害されてATPが産生できなくなり、末梢神経障害や心不全、中枢神経障害をきたす疾患。心不全を伴う「湿性脚気」、末梢神経障害主体の「乾性脚気」、そしてアルコール依存症等に合併する中枢神経障害「Wernicke(ウェルニッケ)脳症」が有名。