D型肝炎は、D型肝炎ウイルス(HDV)による感染症である。HDVは自身のエンベロープ(外殻)を作れない「欠損ウイルス」であり、B型肝炎ウイルス(HBV)のHBs抗原を借りないと感染・増殖できないという特異な性質を持つ。
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HBV単独感染と同様の急性肝炎症状。重複感染の場合は急激に症状が悪化・重症化することが多い。
HBs抗原陽性(必須条件)の患者において、血中のHDV抗体またはHDV-RNAを検出する。
HDVに対する特異的な抗ウイルス薬はない。
HBVに対する治療として、ペグインターフェロン(PEG-IFN)の投与が行われることがある(※核酸アナログ製剤はHBVのDNA増殖は抑えるが、HBs抗原の産生はすぐには止まらないため、HDVの抑制効果は弱い)。
予防:HDVの感染はHBVに依存するため、『B型肝炎ワクチン』を接種してHBVの感染を防ぐことが、そのままHDVの予防になる。
病態
HBVに依存してのみ増殖できるRNAウイルス。感染経路は血液・体液感染。HBVと同時に感染する「同時感染(コインフェクション)」と、すでにHBVキャリアである人に後からHDVが感染する「重複感染(スーパーインフェクション)」がある。
試験での重要ポイント
『B型肝炎ウイルス(HBV)がいないと存在できない』という事実が全て。
臨床的な意義としては、『HBV単独感染よりも重症化しやすい』こと。特にHBVキャリアへの重複感染は、急性増悪(劇症肝炎)を引き起こしやすく、慢性化して急速に肝硬変へ進行するリスクが高い。
覚え方・コツ
「D型肝炎は『B型肝炎に寄生するパラサイト』!自分だけでは服(エンベロープ)を作れないから、B型肝炎(HBs抗原)の服を借りないと人間に感染できない。だから『B型肝炎の人にしかうつらない』。でも、B型とD型がタッグを組むと肝臓の破壊力が跳ね上がって、劇症肝炎や肝硬変へ一気に進む危険なヤツ!」
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下部消化管出血は、トライツ靱帯より肛門側(主に大腸)からの出血である。大腸憩室出血、虚血性腸炎、大腸癌、痔核などが主な原因となり、胃酸の影響を受けないため鮮血や暗赤色便を呈する。
上部消化管出血は、トライツ靱帯(十二指腸空腸曲)より口側の消化管(食道、胃、十二指腸)からの出血である。胃・十二指腸潰瘍、胃癌、食道・胃静脈瘤、マロリー・ワイス症候群などが主な原因となる。
消化管穿孔は、胃や十二指腸、大腸などの消化管壁に全層性の穴が開き、胃酸、腸液、便などが無菌状態の腹腔内に漏れ出す超緊急疾患。急激な汎発性腹膜炎を引き起こし、敗血症性ショックに至るため、原則として緊急手術の適応となる。
虚血性腸炎は、大腸粘膜の微小血管の血流が一時的に低下し、腸管粘膜が虚血・炎症・潰瘍を起こす疾患。便秘傾向のある高齢女性に多く、「突然の左下腹部痛」に続く「下痢・鮮血便」が典型的な三徴である。多くは一過性で、保存的治療で自然軽快する。