GI-NET(旧カルチノイド)は、ホルモン産生細胞(神経内分泌細胞)由来の腫瘍である。粘膜下腫瘍(SMT)の形態をとり、黄味を帯びた色調が特徴。悪性度はKi-67指数により分類される。セロトニン過剰による「カルチノイド症候群」をきたすことがある。
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多くの場合は無症状。
カルチノイド症候群(主に肝転移例):発作的な皮膚紅潮、水様下痢、喘鳴(気管支収縮)、右心弁膜症。
内視鏡:黄色調、表面平滑なSMT。直腸に多い。
組織診:ロゼット形成(花びら状の配列)。
免疫染色:『クロモグラニンA』、『シナプトフィジン』、『Ki-67指数(MIB-1)』。
カルチノイド症候群の評価:24時間尿中5-HIAA測定、血清セロトニン測定。
局所治療:G1またはG2で転移がない小さな病変(直腸では10mm以下など)は、内視鏡的切除(ESDなど)。
外科的治療:転移が疑われるものや巨大なもの(直腸では20mm以上など)は、リンパ節郭清を伴う手術。
薬物療法:ソマトスタチンアナログ(オクトレオチド等)が、ホルモン分泌抑制と腫瘍抑制の両面で有効。その他、分子標的薬(エベロリムス)や、放射性標識受容体全身療法(PRRT)など。
病態
消化管の粘膜深層にある神経内分泌細胞が腫瘍化したもの。以前は「癌に似たもの(カルチノイド)」と呼ばれていたが、現在はすべて悪性とみなされる。直腸、胃、十二指腸に好発する。
試験・臨床での重要ポイント
内視鏡では『黄色がかった粘膜下腫瘍』として見える。免疫染色での『クロモグラニンA』および『シナプトフィジン』陽性が診断の鍵。悪性度は『Ki-67指数(細胞増殖マーカー)』によってNET G1, G2, G3およびNEC(神経内分泌癌)に分類される。
『カルチノイド症候群』:肝転移がある場合に、セロトニン等が解毒されず全身に回り、「皮膚紅潮、下痢、喘鳴、右心不全(心内膜線維化)」をきたす症状群。尿中『5-HIAA』の上昇が診断指標となる。
覚え方・コツ
「GI-NETは『ホルモンを出す、黄色い粘膜下のガン』!マーカーは『クロモグラニンA』。セロトニンが暴れる『カルチノイド症候群』は、顔が赤くなって(紅潮)お腹が下るのが合図!おしっこの『5-HIAA』を測れ。治療は小さいなら内視鏡で取るけど、小さくても転移しやすいから注意!」
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下部消化管出血は、トライツ靱帯より肛門側(主に大腸)からの出血である。大腸憩室出血、虚血性腸炎、大腸癌、痔核などが主な原因となり、胃酸の影響を受けないため鮮血や暗赤色便を呈する。
上部消化管出血は、トライツ靱帯(十二指腸空腸曲)より口側の消化管(食道、胃、十二指腸)からの出血である。胃・十二指腸潰瘍、胃癌、食道・胃静脈瘤、マロリー・ワイス症候群などが主な原因となる。
消化管穿孔は、胃や十二指腸、大腸などの消化管壁に全層性の穴が開き、胃酸、腸液、便などが無菌状態の腹腔内に漏れ出す超緊急疾患。急激な汎発性腹膜炎を引き起こし、敗血症性ショックに至るため、原則として緊急手術の適応となる。
虚血性腸炎は、大腸粘膜の微小血管の血流が一時的に低下し、腸管粘膜が虚血・炎症・潰瘍を起こす疾患。便秘傾向のある高齢女性に多く、「突然の左下腹部痛」に続く「下痢・鮮血便」が典型的な三徴である。多くは一過性で、保存的治療で自然軽快する。