A型肝炎は、A型肝炎ウイルス(HAV)の経口感染により発症する一過性の急性肝炎である。カキなどの二枚貝の生食が原因となることが多く、慢性化することはなく、一度罹患すると終生免疫を獲得する。
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初期(黄疸前):発熱(38℃以上が多い)、全身倦怠感、食欲不振、悪心・嘔吐などの感冒様・胃腸炎様症状。
黄疸期:数日後に皮膚・眼球結膜の黄染、褐色尿、肝腫大、右季肋部痛。
※高齢者が感染すると劇症肝炎(急性肝不全)へ重症化するリスクがある。
血液生化学検査:AST、ALTの著明な上昇(1000〜数千 IU/L)。ビリルビン上昇。
血清学的検査(確定診断):『IgM-HA抗体』陽性。(※IgG-HA抗体は過去の感染・免疫獲得を示す)。
特異的な抗ウイルス薬はなく、『対症療法と安静』が基本。自然治癒を待つ。
予防:流行地への渡航前やハイリスク者に対する『A型肝炎ワクチン(不活化ワクチン)』の接種。
病態
糞口感染。ウイルスに汚染された水や食物(特に二枚貝)を摂取することで感染する。潜伏期間は2〜6週間。
試験・臨床での重要ポイント
病歴聴取が全て。『生カキを食べた』『発展途上国へ旅行した(水や氷の飲食)』というエピソードの数週間後に、風邪のような症状に続いて黄疸が出現したらコレ。
血液検査の確定診断マーカーは『IgM-HA抗体』。急性肝炎なのでAST/ALTは数千単位まで跳ね上がるが、B型やC型と違って『慢性化(肝硬変や肝癌)には絶対に移行しない』のが重要。
覚え方・コツ
「A型肝炎は『カキに当たって肝臓が燃える(急性肝炎)』!口から入る(経口感染)。熱が出てダルくなり、そのあと白目が黄色くなる。B型やC型のように一生住み着くこと(慢性化)はなくて、嵐のように過ぎ去れば抗体ができて二度とかからない!予防にはワクチン、治療はひたすら安静だ!」
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下部消化管出血は、トライツ靱帯より肛門側(主に大腸)からの出血である。大腸憩室出血、虚血性腸炎、大腸癌、痔核などが主な原因となり、胃酸の影響を受けないため鮮血や暗赤色便を呈する。
上部消化管出血は、トライツ靱帯(十二指腸空腸曲)より口側の消化管(食道、胃、十二指腸)からの出血である。胃・十二指腸潰瘍、胃癌、食道・胃静脈瘤、マロリー・ワイス症候群などが主な原因となる。
消化管穿孔は、胃や十二指腸、大腸などの消化管壁に全層性の穴が開き、胃酸、腸液、便などが無菌状態の腹腔内に漏れ出す超緊急疾患。急激な汎発性腹膜炎を引き起こし、敗血症性ショックに至るため、原則として緊急手術の適応となる。
虚血性腸炎は、大腸粘膜の微小血管の血流が一時的に低下し、腸管粘膜が虚血・炎症・潰瘍を起こす疾患。便秘傾向のある高齢女性に多く、「突然の左下腹部痛」に続く「下痢・鮮血便」が典型的な三徴である。多くは一過性で、保存的治療で自然軽快する。