肝硬変は、慢性的な肝障害により肝細胞が破壊と再生を繰り返し、線維化が進行して肝臓が硬く縮小した不可逆的な状態である。肝機能の低下と門脈圧亢進症により、食道静脈瘤、肝性脳症、腹水などの多彩な合併症を引き起こし、肝細胞癌のハイリスク状態となる。
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代償期:無症状(血液検査やエコーで偶然発見されることが多い)。
非代償期:全身倦怠感、黄疸、出血傾向(鼻出血、歯肉出血)、腹水・浮腫。
特異的な身体所見:羽ばたき振戦、クモ状血管腫(首や胸の赤い血管の拡張)、手掌紅斑、女性化乳房(エストロゲンの代謝低下による)。
血液検査:血小板減少(10万/μL以下は要注意:脾機能亢進による)、アルブミン低下、PT延長、アンモニア上昇、コリンエステラーゼ低下。線維化マーカー(ヒアルロン酸、IV型コラーゲンなど)の上昇。
画像診断:腹部エコー・CTで、肝表面の結節状の凹凸、辺縁の鈍化、右葉の萎縮と左葉・尾状葉の代償性腫大、脾腫を確認する。
肝生検:偽小葉の形成(確定診断だが、出血リスクがあるため画像と血液検査で診断可能なことが多い)。
原因療法:抗ウイルス薬(C型肝炎に対するDAA、B型肝炎に対する核酸アナログ製剤)、絶対禁酒。
合併症の治療:
肝性脳症:便秘解消(ラクツロース等で腸内アンモニア吸収抑制)、分岐鎖アミノ酸(BCAA)製剤の内服、難吸収性抗菌薬(リファキシミン)。
食道静脈瘤:EVLやEISによる内視鏡的治療。
腹水:塩分制限、利尿薬(スピロノラクトン、トルバプタン)。
病態
C型・B型肝炎ウイルス、長期間の多量飲酒、NASH(非アルコール性脂肪肝炎)などが原因となる。
試験・臨床での重要ポイント
重症度判定の『Child-Pugh(チャイルド・ピュー)分類』が超頻出。5つの項目『脳症・腹水・ビリルビン・アルブミン・PT(プロトロンビン時間)』で評価する。※ASTやALTなどの肝酵素は含まれないのが引っかけ。
合併症の管理が予後を左右する。①『食道静脈瘤』:破裂による致死的大出血。②『肝性脳症』:アンモニアの解毒不全による意識障害で、手首をパタパタさせる「羽ばたき振戦」が特徴。③『腹水』。④『肝細胞癌(HCC)』:年1〜2回のエコー検査で常に監視する。
覚え方・コツ
「肝硬変は『肝臓がカチカチの石になった最終形態』!血が通らなくなるからバイパス(食道静脈瘤)ができ、解毒できなくなるからアンモニアが脳に回る(肝性脳症・羽ばたき振戦)、タンパク質を作れないから水が漏れる(腹水)!重症度の『Child-Pugh分類』は『脳・腹・ビ・ア・プ(脳症・腹水・ビリルビン・アルブミン・PT)』の5つ!常に『肝ガン』の発生に目を光らせろ!」
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内痔核は、歯状線より「口側(上側)」の粘膜下血管叢がうっ滞・肥大し、支持組織が緩んで脱出・出血をきたす状態である。痛みは少ないが、排便時の鮮血便や脱出が主な症状となる。Goligher分類による重症度判定が治療選択の指標となる。
直腸脱は、直腸壁の全層が肛門外に反転・脱出した状態である。高齢女性に多く、骨盤底筋群の脆弱化が背景にある。粘膜のみが脱出する「直腸粘膜脱」との鑑別が重要である。
腸結核は、結核菌が腸管(主に回盲部)に感染・増殖し、慢性的な炎症と潰瘍を形成する疾患である。活動性の肺結核に合併することが多く、内視鏡検査での「輪状潰瘍」と生検での「乾酪壊死を伴う肉芽腫」が特徴的である。
胆嚢腺筋腫症は、胆嚢の粘膜上皮が筋層内に深く入り込んで「Rokitansky-Aschoff洞(RAS)」と呼ばれる小嚢胞を形成し、胆嚢壁が肥厚する良性疾患である。エコーでの「コメット様エコー」が特徴的で、胆嚢癌との鑑別が重要となる。