胆嚢腺筋腫症は、胆嚢の粘膜上皮が筋層内に深く入り込んで「Rokitansky-Aschoff洞(RAS)」と呼ばれる小嚢胞を形成し、胆嚢壁が肥厚する良性疾患である。エコーでの「コメット様エコー」が特徴的で、胆嚢癌との鑑別が重要となる。
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無症状のことが多い(健康診断のエコー等で偶然発見される)。
分節型などで胆汁のうっ滞が生じ、胆嚢結石を合併すると右上腹部痛をきたすことがある。
腹部超音波(エコー):胆嚢壁の限局性〜びまん性肥厚。壁内の小嚢胞(RAS)、『コメット様エコー(comet-like echo)』。
MRI/MRCP:T2強調画像で肥厚した壁内に高信号の点状影が連なる『pearl necklace sign』。
造影CT:胆嚢癌(不整な造影効果)との鑑別に用いる。
無症状であれば『経過観察』。定期的なエコー検査で形態変化を追う。
胆嚢癌との鑑別が困難な場合、または胆石発作等の症状を伴う場合は、腹腔鏡下胆嚢摘出術を行う。
病態
胆嚢壁の過形成(過剰な増殖)による非腫瘍性の良性病変。壁の肥厚の仕方によって、底部型、分節型、びまん型に分けられる。
試験・臨床での重要ポイント
『胆嚢癌との鑑別』が全て。画像所見のキーワードが国試で超頻出。
腹部エコーで、壁の中に形成されたRAS(粘膜のくぼみ)の中にコレステロール結晶などが貯留し、そこから彗星の尾のような高エコーが引く『コメット様エコー(comet-like echo)』が見られれば本疾患を強く疑う。
また、MRI(MRCP)では、壁内に並んだ液体貯留(RAS)が『真珠のネックレスサイン(pearl necklace sign)』として描出されるのが決め手となる。
覚え方・コツ
「胆嚢腺筋腫症は『胆嚢の壁にできた安全なデコボコ(良性)』!粘膜が壁にめり込んで小さな部屋(RAS)を作り、壁が分厚くなる。エコーで見ると、その部屋の汚れがキラッと反射して『彗星のしっぽ(コメット様エコー)』が見える。MRIで見ると『真珠のネックレス』!ガンじゃないから基本は放置でOK!」
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下部消化管出血は、トライツ靱帯より肛門側(主に大腸)からの出血である。大腸憩室出血、虚血性腸炎、大腸癌、痔核などが主な原因となり、胃酸の影響を受けないため鮮血や暗赤色便を呈する。
上部消化管出血は、トライツ靱帯(十二指腸空腸曲)より口側の消化管(食道、胃、十二指腸)からの出血である。胃・十二指腸潰瘍、胃癌、食道・胃静脈瘤、マロリー・ワイス症候群などが主な原因となる。
消化管穿孔は、胃や十二指腸、大腸などの消化管壁に全層性の穴が開き、胃酸、腸液、便などが無菌状態の腹腔内に漏れ出す超緊急疾患。急激な汎発性腹膜炎を引き起こし、敗血症性ショックに至るため、原則として緊急手術の適応となる。
虚血性腸炎は、大腸粘膜の微小血管の血流が一時的に低下し、腸管粘膜が虚血・炎症・潰瘍を起こす疾患。便秘傾向のある高齢女性に多く、「突然の左下腹部痛」に続く「下痢・鮮血便」が典型的な三徴である。多くは一過性で、保存的治療で自然軽快する。