SMA症候群は、急激な体重減少などにより上腸間膜動脈(SMA)と腹部大動脈の間の脂肪が失われ、その間に挟まった十二指腸水平脚が圧迫・閉塞する疾患である。食後の腹痛・嘔吐をきたし、腹臥位(うつ伏せ)で症状が軽快するのが最大の特徴である。
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食後の心窩部痛、膨満感、悪心、胆汁性嘔吐(十二指腸の閉塞のため)。
体重減少の悪循環(食べると痛いので食べられず、さらに痩せて悪化する)。
特定の体位(腹臥位、左側臥位、胸膝位)での症状軽快。
問診:急激な体重減少の有無、体位による症状変化の確認。
上部消化管造影:十二指腸水平脚での造影剤の通過障害(急峻な断絶)と、口側の拡張を確認。
腹部CT(矢状断):『SMAと大動脈のなす角度(SMA-Aorta angle)』の測定。通常22度未満(あるいはSMA-Aorta間距離が8mm以下)で疑う。
内科的治療(第一選択):『保存的加療』。少量頻回食、食後の腹臥位指導。経鼻空腸栄養チューブや中心静脈栄養(TPN)を用いて体重を増加させ、後腹膜脂肪を回復させる。
外科的治療:保存的治療で改善しない難治例に対し、十二指腸空腸吻合術(Strong術)などを行う。
病態
十二指腸の第3部(水平脚)は、SMAと大動脈の間に挟まれる形で走行している。通常は周囲の脂肪組織がクッションとなり圧迫を防いでいるが、急激なダイエット、拒食症、消耗性疾患、脊椎手術(ギプス固定)などで脂肪が減ると、SMAが鋭角になり十二指腸を押し潰す。
試験・臨床での重要ポイント
「若い痩せ型の女性」が「食後に胃が張って痛くなり、嘔吐する」というエピソードが定番。身体所見として『腹臥位(うつ伏せ)』や『左側臥位』、『胸膝位』をとると、SMAが前方に移動して十二指腸の圧迫が解除されるため、症状が劇的に軽快する。
CTや血管造影での『SMA-Aorta角の狭小化(22度未満)』が画像上の診断基準。左腎静脈が同様に挟まれる「ナットクラッカー症候群」を合併することもある。
覚え方・コツ
「SMA症候群は『痩せすぎて、血管のハサミに十二指腸が挟まった状態』!キーワードは『うつ伏せで楽になる』。これだけで正解を選べる。治療は無理に手術せず、まずは鼻からチューブを入れて栄養を入れ、脂肪を増やしてハサミ(SMAの角度)を広げるのが先決だ!」
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内痔核は、歯状線より「口側(上側)」の粘膜下血管叢がうっ滞・肥大し、支持組織が緩んで脱出・出血をきたす状態である。痛みは少ないが、排便時の鮮血便や脱出が主な症状となる。Goligher分類による重症度判定が治療選択の指標となる。
直腸脱は、直腸壁の全層が肛門外に反転・脱出した状態である。高齢女性に多く、骨盤底筋群の脆弱化が背景にある。粘膜のみが脱出する「直腸粘膜脱」との鑑別が重要である。
腸結核は、結核菌が腸管(主に回盲部)に感染・増殖し、慢性的な炎症と潰瘍を形成する疾患である。活動性の肺結核に合併することが多く、内視鏡検査での「輪状潰瘍」と生検での「乾酪壊死を伴う肉芽腫」が特徴的である。
胆嚢腺筋腫症は、胆嚢の粘膜上皮が筋層内に深く入り込んで「Rokitansky-Aschoff洞(RAS)」と呼ばれる小嚢胞を形成し、胆嚢壁が肥厚する良性疾患である。エコーでの「コメット様エコー」が特徴的で、胆嚢癌との鑑別が重要となる。