最終更新日: 2026年4月16日
アスクレピアで深掘りする原発性胆汁性胆管炎(PBC)は、肝内の小型胆管が自己免疫学的機序により破壊され、慢性的な胆汁うっ滞を来す指定難病である。中年以降の女性に好発し、皮膚掻痒感や無症候性の肝機能異常で発見されることが多い。CBTや医師国家試験では、特異的な自己抗体(抗ミトコンドリア抗体)や合併症、第一選択薬が毎年問われる超頻出疾患である。
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皮膚掻痒感(黄疸に先行して出現することが多い初期症状)
黄疸(進行期に出現。出現すると予後不良のサインとなる)
全身倦怠感
脂質異常症に伴う黄色腫(眼瞼黄色腫など。胆汁うっ滞による高コレステロール血症が原因)
骨粗鬆症・骨軟化症(胆汁うっ滞に伴う脂溶性ビタミンDの吸収不良による)
※初期(aPBC)は無症状のことが多い。
初期評価
健診での胆道系酵素(ALP、γ-GTP)の上昇や、中年女性の皮膚掻痒感から疑う。
検査
血液検査でALP、γ-GTPの著増、総コレステロール上昇、IgM高値を確認する。免疫学検査で「抗ミトコンドリア抗体(AMA)」または抗ミトコンドリアM2抗体の陽性を確認する(特異度が極めて高い)。確定診断や病期判定のために肝生検を行い、小葉間胆管の破壊像である「慢性非化膿性破壊性胆管炎(CNSDC)」を確認する。※肝外胆管の閉塞(胆管結石など)を除外するため、腹部エコーなどの画像検査も必須である。
鑑別
原発性硬化性胆管炎(PSC:中年男性、p-ANCA陽性、数珠状の胆管狭窄)、自己免疫性肝炎(AIH:IgG高値、抗核抗体陽性)、薬剤性肝障害、閉塞性黄疸と鑑別する。
初期対応・内科的治療
胆汁の排泄を促進し、肝細胞障害を軽減するために「ウルソデオキシコール酸(UDCA)」の内服を第一選択として生涯継続する。UDCAで効果不十分な場合は、ベザフィブラート(高脂血症治療薬)を追加投与する。皮膚掻痒感に対しては、抗ヒスタミン薬やナルフラフィン塩酸塩(κオピオイド受容体作動薬)を用いる。
根本治療
内科的治療に抵抗性で、黄疸が進行し非代償性肝硬変や肝不全に至った場合は、「肝移植」の適応となる。
病態
自己免疫応答により肝臓内の微小〜中等大の胆管(小葉間胆管)が選択的に破壊される(慢性非化膿性破壊性胆管炎:CNSDC)。これにより胆汁がうっ滞し、進行すると胆汁性肝硬変、肝不全に至る。
原因
原因不明だが、自己免疫異常の関与が強く疑われている。シェーグレン症候群や慢性甲状腺炎(橋本病)、関節リウマチなどの自己免疫疾患を高率に合併する。
分類
症状の有無により、無症候性PBC(aPBC)と症候性PBC(sPBC)に分けられる。近年は健診の普及により無症候性が大半を占める。
試験での重要ポイント
「中年女性の皮膚掻痒感」または「健診でのALP・γ-GTP高値」があればこの疾患を疑う。血液検査での「抗ミトコンドリア抗体(AMA)陽性」および「IgM高値」は超頻出キーワード。病理検査(肝生検)での「慢性非化膿性破壊性胆管炎(CNSDC)」も重要。治療の第一選択薬である「ウルソデオキシコール酸(UDCA)」は絶対に覚えるべき。鑑別でよく出るのは、同じ胆汁うっ滞性疾患で若年〜中年男性に多く、潰瘍性大腸炎(UC)に合併しやすい「原発性硬化性胆管炎(PSC)」や、IgG高値となる「自己免疫性肝炎(AIH)」である。
覚え方・コツ
「PBCは、ミセス(中年女性)のミトコンドリア(抗ミトコンドリア抗体)、IgM(M)、ウルソ(UDCA)でかゆみ(掻痒感)を抑える」と覚える。
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原発性硬化性胆管炎(PSC)は、肝内および肝外の太い胆管に線維性の狭窄が多発し、慢性的な胆汁うっ滞から肝硬変へと進行する原因不明の指定難病である。若年〜中年の男性に好発し、潰瘍性大腸炎(UC)を高率に合併する。CBTや医師国家試験では、PBCとの鑑別、特徴的な胆管造影所見、および胆管癌の合併リスクが毎年問われる超頻出疾患である。
潰瘍性大腸炎(UC)は、大腸の粘膜に慢性の炎症と潰瘍を生じる原因不明の指定難病である。若年者に好発し、粘血便、下痢、腹痛を伴う再燃と寛解を繰り返す。CBTや医師国家試験では、クローン病(CD)との鑑別、特徴的な内視鏡所見や注腸造影所見、重大な合併症(中毒性巨大結腸症や大腸癌)が毎年問われる超頻出疾患である。
胆石症は、胆汁の成分が結晶化して胆嚢や胆管内に結石(胆石)を形成し、通過障害や炎症を引き起こす疾患である。脂っこい食事の後に起こる激しい右季肋部痛や悪心・嘔吐を主症状とする。無症状のまま経過することも多いが、重症化すると急性胆管炎などの致死的な病態を招くため、CBT・国家試験ともに頻出の重要疾患である。
自己免疫性肝炎(AIH)は、肝細胞に対する自己免疫応答により慢性的な肝炎を来す指定難病である。中年以降の女性に好発し、放置すると肝硬変や肝不全に進行する。CBTや医師国家試験では、PBCとの鑑別、高IgG血症や抗核抗体陽性、ステロイドの著効が毎年問われる超頻出疾患である。