FDは、胃カメラなどで潰瘍や癌などの器質的疾患が認められないにもかかわらず、胃もたれや心窩部痛などの腹部症状が慢性的に続く疾患である。胃の適応性弛緩の障害や知覚過敏が主な原因とされる、現代人に非常に多い疾患である。
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食後収穫(もたれ):食べたものがいつまでも胃に残っている感じ。
早期飽満感:食べ始めてすぐに満腹感を感じ、食事が進まない。
心窩部痛:みぞおちの痛み。
心窩部灼熱感:みぞおちが焼けるような感じ。
除外診断が基本:上部消化管内視鏡(胃カメラ)で潰瘍、癌、逆流性食道炎がないことを確認。腹部エコーや血液検査で胆石、膵炎などを除外する。問診で症状の持続期間と頻度を確認する。
生活指導:規則正しい生活、暴飲暴食の回避、ストレス管理。
薬物療法:
第一選択:『アコチアミド(胃運動改善薬)』、または『酸分泌抑制薬(PPI、P-CAB)』。
第二選択:六君子湯(漢方薬)、抗不安薬・抗うつ薬(心因的要因が強い場合)。ピロリ菌陽性なら除菌。
病態
胃の動きが悪い(運動不全)、胃が膨らまない(適応性弛緩障害)、わずかな刺激で痛みを感じる(知覚過敏)、心理的ストレスなどが複雑に関与する。
試験・臨床での重要ポイント
「症状はあるのに胃カメラは正常」というのが大前提。診断には『Rome IV基準』などの定義が用いられる。①食後膨満感(もたれ)、②早期飽満感(すぐお腹いっぱい)、③心窩部痛、④心窩部灼熱感、の4つのうち1つ以上が3ヶ月以上続いていることが目安。ピロリ菌感染がある場合はまず除菌を行い、それでも症状が残る場合をFDとする。
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内痔核は、歯状線より「口側(上側)」の粘膜下血管叢がうっ滞・肥大し、支持組織が緩んで脱出・出血をきたす状態である。痛みは少ないが、排便時の鮮血便や脱出が主な症状となる。Goligher分類による重症度判定が治療選択の指標となる。
直腸脱は、直腸壁の全層が肛門外に反転・脱出した状態である。高齢女性に多く、骨盤底筋群の脆弱化が背景にある。粘膜のみが脱出する「直腸粘膜脱」との鑑別が重要である。
腸結核は、結核菌が腸管(主に回盲部)に感染・増殖し、慢性的な炎症と潰瘍を形成する疾患である。活動性の肺結核に合併することが多く、内視鏡検査での「輪状潰瘍」と生検での「乾酪壊死を伴う肉芽腫」が特徴的である。
胆嚢腺筋腫症は、胆嚢の粘膜上皮が筋層内に深く入り込んで「Rokitansky-Aschoff洞(RAS)」と呼ばれる小嚢胞を形成し、胆嚢壁が肥厚する良性疾患である。エコーでの「コメット様エコー」が特徴的で、胆嚢癌との鑑別が重要となる。