汎発性腹膜炎は、胃・十二指腸潰瘍の穿孔や大腸穿孔、急性虫垂炎の破裂などを原因として、腹腔内全体に激しい炎症・感染が波及した極めて重篤な状態である。板状硬などの強い腹膜刺激症状を呈し、直ちに緊急開腹手術が必要となる。
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突然の激しい腹痛(腹部全体)、悪心・嘔吐、発熱。
腹膜刺激症状:板状硬(筋性防御)、反跳痛(Blumberg徴候)。
麻痺性イレウスによる腸蠕動音(グル音)の低下・消失。
進行すると、頻脈、血圧低下、冷汗、意識障害(敗血症性ショック)。
身体所見:広範な腹膜刺激症状の確認。
画像診断:胸腹部X線(立位)または腹部CTでの『free air(腹腔内遊離ガス)』の証明。腹水貯留。
血液検査:白血球の著明な増加、CRP著増、乳酸値上昇(ショック時)。
初期蘇生:敗血症性ショックに対する大量輸液、広域抗菌薬の静注。
外科的治療(絶対適応):『緊急手術』。開腹(または腹腔鏡)により、①感染源のコントロール(穿孔部の閉鎖や腸管切除、人工肛門造設)、②腹腔内の徹底的な洗浄、③ドレナージ(チューブ留置)を行う。
病態
本来無菌である腹腔内に、消化管穿孔等によって胃酸や便、腸内細菌が大量にばらまかれることで生じる。強烈な痛みとともに、急激に敗血症・エンドトキシンショックへ進行し致死的となる。
試験・臨床での重要ポイント
腹部全体がカチカチに硬くなる『板状硬(筋性防御)』や、押した手を離す時に痛む『反跳痛(Blumberg:ブルンベルグ徴候)』といった『腹膜刺激症状』が絶対的なサイン。腸の動きは完全に止まる(麻痺性イレウス:腸雑音消失)。
画像診断では、立位胸腹部X線またはCTで横隔膜下などに『腹腔内遊離ガス(free air)』を認めることが消化管穿孔の決定的な証拠となる。治療は一刻を争う『緊急手術』であり、保存的治療を選択してはならない(引っかけの選択肢として頻出)。
覚え方・コツ
「汎発性腹膜炎は『お腹の中にウンチや胃酸がブチまけられた大惨事』!お腹全体がガチガチの板みたいに硬くなる(板状硬)。レントゲンで横隔膜の下に黒い空気(free air)が溜まっていたら『消化管に穴が空いている』証拠。様子見や薬でごまかすのは絶対NG!直ちにお腹を開けて(緊急手術)、洗って穴を塞げ!」
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閉鎖孔ヘルニアは、骨盤の閉鎖孔(閉鎖神経の通り道)から腸管が脱出する外疝痛の一種。高齢・痩せ型の女性に好発し、初期には閉鎖神経の圧迫による膝内側までの痛み(Howship-Romberg徴候)を呈し、嵌頓すると絞扼性イレウスを引き起こす。
Boerhaave(ブールハーフェ)症候群は、激しい嘔吐などの急激な食道内圧上昇により、健康な食道の全層が破裂する緊急疾患である。強烈な胸痛と背部痛をきたし、縦隔炎から敗血症へ進行するため、24時間以内の緊急手術が救命の鍵となる。
複雑性腸閉塞は、物理的な腸管の閉塞に加えて「腸間膜の血管が締め付けられ、血流障害を伴う」極めて危険な状態である。数時間で腸管が壊死・穿孔し、敗血症性ショックに至るため、一刻も早い緊急手術の絶対適応となる。
麻痺性イレウスは、腸管そのものに物理的な閉塞物はないが、自律神経の反射や電解質異常などにより腸管全体の蠕動運動が消失し、内容物が停滞する状態である。開腹手術の術後や腹膜炎の合併症として頻繁にみられる。